ジャック&エレナシリーズ
竜の眠る星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 23:26 UTC 版)
「ジャック&エレナシリーズ」の記事における「竜の眠る星」の解説
24世紀。ニューヨークで探偵業を営むジャックは、恐竜と人間が共存する星「竜星王(セレツネワ)」からの依頼を受けるが、エレナは理由もなく嫌がる。それでもセレツネワに向かった2人は、万能ロボエレナが封じ込めたエレナの過去の記憶を知ることになる。 セレツネワは、ケプラー系、第3惑星で、21世紀後半に人間が初めて降り立った星。太古の地球に似ており、恐竜たちが暮らしていた。人間が移住して200年。恐竜たちの多くは「竜の谷(ピルケニア)」に追い込まれ、「ルルブ人」と「シュマリ人」が争う星になっていた。他の星からの文化を受け入れないため、古典的な戦争が長年続いてきたが、ルルブ人が星を制するために、ルルブの女王の娘モニークがシュマリの王リブシェアの暗殺を依頼する。時を同じくして、リブシェアからモニークの誘拐を依頼されていたジャックだが、星から逃げ出すと勘違いしたリブシェアの手先に暗殺されそうになる。ジャックが狙われたことで、エレナはリブシェアの暗殺を決意する。だが、16年前の秘密を握り潰したいリブシェアと、エレナに復讐を誓うカインによって、エレナは捕らえられてしまう。 モニーク・ヘイツ(ディアナ・クリムト) ルルブ人の王女の子供として、慣習に従い、成人(16歳)まで平民同様に育てられる。まもなく16歳。リブシェア王の第三女。249年6月8日生まれ。エレナによって、同時期に生まれたカテア女王の子供と取り替えられたシュマリ人。愛する母カテアのために、リブシェアの殺害を決意。自分の出生の秘密を知ってからも母を愛し続け、母のために自害。シュマリ人だったために、罪人と同じ地下の霊廟に納められるが、家臣が出て行った後、カテアによって王族の霊廟へと移される。 カウル モニークのいとこ。モニークのお目付け役としてモニークとともに生活する。モニークのエレナへの思いに気づき、常に身を引いた行動を取る。その思いが伝わることなく、モニークを失う。その後、セレツネワを脱出し、地球に入星する。 カテア・ヘイツ ルルブの第5代女王。モニークの育ての母。リブシェアの死亡とその息子アレフの行方不明により、セレツネワの統一を成す。惑星の衝突の話が出たときに、家臣が逃げない理由が自分にあることを知り、星から逃げ出したように見せかけ、家臣を脱出させた。国を裏切った者を火あぶりにするなど、他星にも知られるほどの残忍さを持つが、家臣の命のために汚名を被るなど、すべては国を思っての行為である。モニークの正体を知った後、厳しい態度をとるが内心では娘として愛し続けていた。 リブシェア・クリムト シュマリ王国の王。120歳。モニークの実の父親で、16年前にエレナに赤子のすり替えを命じ、エレナもろともカテアの赤子を殺した。モニークをルルブ人として貫き通すために、カインに器官手術をさせる予定だった。モニークの依頼をジャックにしたのは、他星の人間を使えば、遂行後に殺害して秘密を守れると考えたためで、家臣を使うことには良心が苛まれる。 カイン・エドベリ 14年前にELENAに両親を殺された地球人。エレナに復讐するためにリブシェア王と手を組み、エレナを鏡の宇宙船に閉じ込めた。脱走したエレナに殺されかけるも、ジャックの登場により命拾いする。カインが殺されなかった一番の理由は、作者がお気に入りだからである。エレナは『ミルキーウェイ2』で、殺さなかったことを若干後悔している。 矛盾点・不明点 前半、セレツネワに人間が移住して200年とされているが、終盤近くでカテアは人間が移住して300年と言っている。時代設定からカテアのセリフが間違いか、モニークの生年(249年)から移住の歴史認識に幅があるかのどちらか。 シュマリ人が長命になった理由は、セレツネワに移住したことによるものが大きいが、ルルブ人が長命でない理由は不明。 そもそも、ルルブ人もシュマリ人も元はセレツネワ発見後に移住した人間であるにも拘らず、他星の文明を取り入れなくなっている。 セレツネワ文明は、その星を発見した当時(21世紀後半)の地球文明よりもはるかに古い。地球人が移住したとの記載はないが、移住したという歴史がある以上、ある程度発達した科学文化を持つ星から来たと考えられるが、詳細は不明。 20年前に、他星の文化を受け入れない星に、なぜロボットのエレナが来たのかは明らかにされていない。 リブシェアはエレナを人間だと思っていたので、ロボットと分かれば火あぶりにされるような文明の星で、誰がエレナを地球に持ち帰り、再生させたのかは不明。エレナが壊された時期と再生された時期は、ともに「16年前」で大きなずれはない。 カインの両親が殺害されたのは、カインによって14年前とも15年前とも発言されている。
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