石鎚山旧跡三十六王子社
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里宮本社から中宮成就社を経て奥宮頂上社へ至る往古の参道沿いに作られた36の王子社で、何も残っていないところもあったらしいが、現在は復興され、年に一度、石鎚神社里宮から参拝登山が敢行されている。 第王子社よみかた解説1福 ふく 昔石仙高僧がこの地で野宿したとき夢枕に福の神が現れ祈願したと伝えられる。 2桧 ひのき 昔成就社本殿を作り終えた左甚五郎が用材の桧の杖を突き立て帰ったあとそこから芽がでたといわれる 3大保木 おおふき 大保木字覗にあり。 4鞘掛 さやかけ 庄屋高須賀蔵人が召喚される折、刀を抜き鞘を掛け祈願したことから。 5細野 ほその 中奥字細野にある。 6子安場 こやすば 初登山の児童はここで元結をしたことから。 7今宮 いまみや 三碧峡にあり、この川を垢離取り川として身を清めて登った。 8黒川 くろかわ 黒川谷の水音が聞こえるところ。 9四手坂 しでざか 急坂で四つん這いになって登ったことから呼ばれる。 10二ノ にの 鉄の鳥居と鉄の祠が祀ってある。 11小豆禅定 あずきぜんじょう ものもらいのとき、小豆を供えて願をかけ治ったという。 12今 いま 人が行かない狸が住んでいると云われ、土地の人が「いまおやじ」と呼んでいる。 13雨乞 あまこい 日照りの時、雨乞いをしたところ。 14花取 はなとり 祭典に捧げる華(しきび)を取ったところ。 15矢倉 やぐら 海も山々も望めて眺望よく、開祖石仙高僧が神在ますことを明らかにせんと祈念したと云われるところ。 16山伏 やまぶし 頂上参拝の折、ここで一夜籠って祈願した即ち山に伏す野宿の行場である。 17女人返 じょにんかえし 女性はここで遥拝しこれより先は女人禁止だった。 18杖立 つえたて 明治初年まで参詣者はお山杖をここに立置き、無杖で登山していた。 19鳥居坂 とりいさか 昔、ここに鳥居があったが、現在は成就社の神門に移されている。 20稚子宮鈴之巫女 ちごのみやすずのみこ 成就社にあり本殿と並ぶ石標が王子である。 21大元 おおもと 西ノ川本郷にあり、大元大権現を祀っている。 22恵比須滝 えびすたき 大木の下にある祠に素焼の恵比寿大黒像が祀ってある。 23刀立 かたなたて 昔石仙高僧が帯刀をこの岩に立て置き登山したと云う。 24御鍋岩屋 おなべいわや 岩が重なり合い岩屋となっていて、石仙高僧が米を鍋で炊いたといわれるところ。 25御塔石 おとういし 高さ78mと云われる自然石の石柱の元に祀られている。 26窟の薬師 いわやのやくし 三角形の割れ目のような岩屋に薬師如来石像が祀ってある。 27祈滝 いのりたき 役行者が山中を彷徨い諦めかけた折、現れた老人に諭され再び奮い立ち祈願した。 28八丁坂 はっちょうさか 表参道八丁坂である。 29前社森 ぜんじゃがもり 試し鎖を登り切った突き立った岩場に祀られている。 30大剣 おおつるぎ 断崖の岩峰をなし危険につき通行禁止である。 31小剣 こつるぎ 大剣に並び立つ。 32古森 こもり 往古は大木が生い茂り神厳な森であった。 33早鷹 はやたか この森に隼や鷹(天狗の比喩とも)が棲息していた。 34夜明峠 よあかしとうげ 今宮の八郎兵衛が夜を徹して登山の折、ここで夜が明けたことから。 35裏行場 うらぎょうば 頂上社から南に岩場を下った絶壁の覗き岩の下裏に不動尊が刻まれていると云われているが定かでない。現在は山頂広場に祀られている。 36天狗嶽 てんぐうだけ 標高1982mの最高地点に祀られている。 第1福王子社 第25御塔石王子社 第29前社森王子社 第34夜明峠王子社 第36天狗嶽王子社
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