発令エリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 15:25 UTC 版)
「緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置」の記事における「発令エリア」の解説
緊急事態宣言は、都道府県単位で発令されている ものの、新型インフルエンザ等対策特別措置法の規定 では、緊急事態宣言を都道府県単位で発令しなければいけないという規定はなく、かえって第38条第1項は「その区域の全部又は一部が第三十二条第一項第二号に掲げる区域内(編注 緊急事態措置を適用する区域のこと)にある市町村」と規定し 市町村の一部について発令されることを想定した規定をおいており、都道府県単位で発令したのはあくまで運用の話である。また実際の適用においても2021年の緊急事態宣言の対象になった北海道は、「全道を緊急事態措置の対象とし、特定措置区域については、より一層の強い対策を行う。」とし、法第45条による酒類を提供する飲食店の休業 は、特定措置区域(札幌市、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、当別町、新篠津村、小樽市、旭川市)にとどめるなど道内で一律でない適用をしている。 まん延防止等重点措置も、政府によるまん延防止等重点措置を実施する範囲をどのようなものにするか新型インフルエンザ等対策特別措置法の規定 には明示がないが、実際には都道府県単位で行われている。さらに「都道府県知事が定める期間及び区域において必要な措置を講ずるよう要請することができる。」(第31条の6第1項 要約)ため政府が対象とした都道府県の知事が、市区町村など特定の地域を限定して措置を行うことができ、政府が目指している、より限定的・集中的な措置とすることができる。ただし、まん延防止等重点措置も、都道府県の全自治体を対象に措置を行うことを、新型インフルエンザ等対策特別措置法の規定 では、禁止されていないので、まん延防止等重点措置を都道府県単位で適用することは法的に可能である。実際には、政府の基本的対処方針 において、「都道府県知事は、区域を指定するに当たって市町村単位や一定の区画を原則とする」とされていることから、神奈川県が2021年7月22日~8月1日の間、神奈川県の全市町を対象とし、清川村以外の全自治体を対象にした事例 などはあるが、完全に全自治体を対象に事例は2020年末まではなかった。 2022年1月にまん延防止等重点措置が、沖縄県に適用された際、県内全域を対象とした。更に広島県は、1月9日の適用開始時点で10市3町が対象としていたものを、1月14日に県内全域に対象を拡大した。 まん延防止等重点措置が、2021年1月21日から東京都と12県に拡大された際には、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、岐阜県、熊本県において、管内の全市区町村を対象とし、1月21日現在でまん延防止等重点措置区域とされた1都15県のうち過半を超える1都9県で全域が対象となった。長崎県は、1月21日の適用開始時点で長崎市と佐世保市のみが対象としていたものを、1月26日(休業要請は1月28日から適用)に県内全域に対象を拡大した。 1月27日より1道2府15県にまん延防止等重点措置の適用を追加することになった際、青森県、山形県、福島県を除く、1道2府12県、北海道、茨城県、栃木県、石川県、長野県、静岡県、京都府、大阪府、兵庫県、島根県、岡山県、福岡県、佐賀県、大分県及び鹿児島県において全域が対象となった。その結果、2022年1月27日現在で、まん延防止等重点措置区域とされた1都1道2府30県のうち7県を除く1都1道2府23県で全域が対象とされた。更に、1月30日から福島県が、それまで福島市等5市だった適用範囲を、県内全域に拡大し、1月31日から三重県が、それまで尾鷲市・北牟婁郡紀北町・熊野市・南牟婁郡御浜町・紀宝町以外の全市町村としていたものを県内全域に拡大し、当初、岩国市、和木町について1月31日まで対象としていた山口県は、適用期間を2月20日まで延長すると同時に、全域を対象に拡大した。2022年2月2日より香川県は、唯一適用を行っていなかった香川郡直島町にまん延防止等重点措置の適用とすることとし、適用範囲を県内全域にした。これにより2022年2月2日以降では、まん延防止等重点措置区域とされた1都1道2府30県のうち3県を除く1都1道2府27県で全域が対象とされた。2022年2月5日より和歌山県にまん延防止等重点措置の適用を追加することになった際、適用範囲を県内全域にした。これにより2022年2月5日以降では、まん延防止等重点措置区域とされた1都1道2府31県のうち3県を除く1都1道2府28県で全域が対象とされた。2022年2月7日から沖縄県は、それまで県内全域を対象としていたものを、宮古地域 2市村(宮古島市、宮古郡多良間村)について解除することとしたため、2022年2月7日以降では、まん延防止等重点措置区域とされた1都1道2府31県のうち4県を除く1都1道2府27県で全域が対象とされる。2022年2月12日より愛知県は、唯一適用を行っていなかった北設楽郡東栄町にまん延防止等重点措置の適用とすることとし、適用範囲を県内全域にした。また同日より高知県にまん延防止等重点措置の適用を追加することになった際、適用範囲を県内全域にした。これにより2022年2月12日以降では、まん延防止等重点措置区域とされた1都1道2府32県のうち3県を除く1都1道2府29県で全域が対象とされた。 このように、2021年とは対照的に、2022年においてまん延防止等重点措置区域とされた都道府県のほとんどにおいて全域を対象として理由について網羅的な分析は確認できないが、当初、2町村を対象外としその後全域適用となった愛知県では、自治体別に、人口10 万人・1 週間当たりの新規陽性者数がレベル 2(15 人)以上であるとの基準を明示しており、この指標が当初下回っていた2町村においても新規陽性者数が基準を上回ることにより範囲の拡大を行ったとしており、感染の全域における拡大が要因であることを示している。 逆に市町村より更にせまい範囲に限定した例は、2022年2月14日現在で、2021年8月27日から9月12日までまん延防止等重点措置の対象になった佐賀県が「旧唐津市」を対象にした事例が唯一である。
※この「発令エリア」の解説は、「緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置」の解説の一部です。
「発令エリア」を含む「緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置」の記事については、「緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置」の概要を参照ください。
- 発令エリアのページへのリンク