番組進行に際して
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「NHK紅白歌合戦」の記事における「番組進行に際して」の解説
進行にあたっては、台本と合わせてカンペも用意される。司会者に対し、スタッフから開始早々のタイミングで「巻き」(スタッフから出演者に早く進行するよう指示が入ること)が入ることも珍しくなく、放送内でアドリブを入れることもなかなかできないという。そのほか、司会者が生本番内で言い間違いや失言をして話題となった事例がある(1980年代ごろまでは司会者の言い間違いなどのハプニングは一切許されないというほどの厳格さがあったが、のちにこのような演出やハプニングはある程度認められるようになった)。これに関連して総合司会経験者の宮本隆治は「NHKホールには魔物が住んでいる」「これまで多くの魔物が先輩の司会者たちを苦しめてきた」と語っている。ただし、これらは現代紅白のものであり、1970年代ごろまでは司会者によるアドリブや自由演出がごく当たり前のように行われていた。一例として、第21回(1970年)では本番内において、白組司会の宮田輝が白組歌手の橋幸夫に対し、歌唱曲を当初予定の『俺たちの花』から『いつでも夢を』に変更することを持ちかけて歌唱させたという出来事があった。 第57回(2006年)までは大部分を両組司会がそれぞれ下手(紅組)、上手(白組)(第4回〈1953年12月〉のみ逆であった)に分かれて別々に進行するものだったが、第58回(2007年)からは一部を除き下手席で両組司会が揃って進行する形となった。 一方で、その「予定調和」を逆手に取り、アーティストが番組にも無断で不意打ちパフォーマンスを行うこともある。紅白でのパフォーマンスなのでのちに大問題になり、アーティストがNHKに出入り禁止を喰らうこともある。これまでのおもなパフォーマンスとしては、以下が挙げられる(詳しくは当該の回やアーティストの項目を参照)。 第33回(1982年) - サザンオールスターズの桑田佳祐が三波春夫をパロディ化した衣装と歌い方をした。「とにかく、受信料は払いましょう!」「裏番組(を見たい場合)はビデオで見ましょう!」という発言で、賛否両論が巻き起こった。桑田本人はのちにNHKに詫び状を書かされ、「詫び状なんか書くくらいなら2度と出ない!」と、のちの紅白(ひいてはNHK)との確執につながったことを明かしている。翌年の紅白には出場しているが、それ以来、サザンの出場が長らく遠のいた。その後、2014年と2018年に特別枠で出場(また、メンバーの原由子はソロで1991年に正式に出場。桑田もソロで2010年と2017年に特別枠で出場している)。 第36回(1985年) - 吉川晃司が歌唱中にセットを壊し、終了間際にギターを燃やした。 第42回(1991年) - とんねるずがパンツ1枚という衣装で登場した。木梨憲武は赤色、石橋貴明は白色に全身を塗っていた。後ろを向くと、背中に「受信料を払おう」と書いてあった。 第43回(1992年) - 本木雅弘が首に白い液体を入れたコンドームの形をした風船をいくつも巻きつけて登場した。さらに、演奏途中では尻を露出した。 第57回(2006年) - DJ OZMAが全身肌色のボディスーツを着て股間の部分にキノコの模型をつけた姿で舞台に登場。女性バックダンサーも同様の格好で全裸に見えたため、「公共放送で、しかもプライムタイムであることの配慮がない」としてNHKに苦情が殺到した。総合司会の三宅民夫が番組中に「全裸ではない」と説明した。その後、放送倫理・番組向上機構(BPO)から回答要請を受けた。この影響によりDJ OZMAは一時活動休止を余儀なくされ、その後も活動に大きな制約がかかるなど尾を引き続け、これが最終的には2008年の「引退」宣言にまでつながることになった。 第57回(2006年) - 川内康範作詞の『おふくろさん』を歌唱した森進一が川内に無断でセリフを入れた同曲を披露。これに川内が激怒し騒動となった(「おふくろさん騒動」を参照)。
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