現代的作品
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ジェイムズ・ブリッシュ『暗黒大陸の怪異』(1962年)では、コンゴ奥地で鉱物の違法採掘を行う部落の探索で恐竜が現れる。イアン・キャメロン『謎の類人猿を求めて』(1972年)では、アンデス山中で不死人や恐竜の住む古代都市に潜入する。 マイケル・クライトンは、『失われた黄金都市』(1980年) でこのジャンルを復活させた。コンゴの奥地にある失われたジャングル文明ジンジの古代都市、そしてそこに眠るソロモン王の財宝を探す物語である。1990年代になるとジェームズ・ガーニー(英語版)が「ダイノトピア」と呼ばれる地図にない島を舞台にしたジュブナイル小説シリーズを出版している。その島では人類と恐竜が共存している。ルーディ・ラッカー『空洞地球』(1990年)では、『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』の設定から、地球内部のもう一つの地球を探検する。 日本では、山田正紀による『崑崙遊撃隊』(1976年)ではゴビ砂漠でサーベルタイガーの住む幻の村にたどり着く。『ツングース特命隊』(1985年)ではシベリア奥地での大爆発を調査に向かい恐竜の住む洞窟世界にたどり着く。『魔境密命隊』(1985年)ではイラン・イラク戦争の謀略作戦中に古代生物の住む地底世界に迷い込む。田中光二『ロストワールド2』(1980年)は、ドイル『失われた世界』のチャレンジャー教授一行が古代インカの幻の都市を探索する。今日泊亜蘭「怪獣大陸」(1978年)は南極探検隊が恐竜に遭遇する。菊地秀行『エイリアン魔獣境』(1983年)はアマゾン奥地の幻の王国で次々に奇妙な敵と対峙する。栗本薫『魔境遊撃隊』(1984年)では、謎の遺跡の残る南洋の孤島を探検する。川又千秋は、南洋の未知の島々を舞台にした『海神の逆襲』(1979年)や、『赤道の魔界』(1980年)、『幻獣の密使』(1981年)などを書き、これら現代における秘境冒険小説について笠井潔は、地図にない国々をSF的手法で描き出すことで「喪われた「秘境」を再発見し、さらに19世紀的な秘境冒険小説のなかに私たちが見出す近代のというこの時代への「息苦しさ」からの解放感を、再現し、追体験すべきもの」と評した。横田順彌『人外魔境の秘密』(1991年)は押川春浪を主人公に、ドイル『失われた世界』の舞台を探検する。芦辺拓『地底獣国の殺人』(1997年)ではトルコのアララト山が冒険の舞台となっている。 ロストワールドものは小説以外にも存在する。テレビゲームでは『トゥームレイダー』とその続編が有名である。映画では「インディ・ジョーンズ シリーズ」のコンセプトがロストワールドものに近い。
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