無線ブロードバンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 18:30 UTC 版)
「ブロードバンドインターネット接続」の記事における「無線ブロードバンド」の解説
無線によるブロードバンド回線も移動体通信ネットワーク/Mobile Wireless Access (MWA)を中心に普及している。これには4G(LTE-Advanced・WiMAX 2.1)や5G(WiMAX 3及びXGP 4.0を含む)が存在する。移動体のブロードバンド回線はモバイルブロードバンド(Mobile broadband)と呼ばれている。日本のモバイルブロードバンドの主な提供者にはNTTドコモとKDDI (au)とソフトバンクと楽天が居る。 日本の移動体通信ネットワークの公称最大速度MWAサービス規格最大値NTTドコモ auソフトバンク楽天モバイル4G最大受信速度3Gbps 1.7Gbps 1Gbps 838Mbps ? 4G最大送信速度1.5Gbps 131.3Mbps 112.5Mbps 46Mbps ? 5G最大受信速度20Gbps 4.1Gbps (ミリ波) / 4.2Gbps (Sub6-CA) 4.2Gbps 3.0Gbps ? 5G最大送信速度10Gbps 480Mbps (ミリ波) / 218Mbps (Sub6-CA) 481Mbps 298Mbps ? 移動体通信ネットワークは容量に限界があるため、公衆無線LANへのデータオフロードも行われている。またiOS11以降ではMultipath TCP(英語版)機能によって(公衆)無線LAN経由で捌けなくなったデータを自動的に移動体通信ネットワーク経由へと流すことも可能となっている。携帯会社の公衆無線LANサービスではSIMカードを使ったEAP-SIM認証方式に対応するものが多い。 日本の公衆無線LANの公称最大速度公衆Wi-Fiサービス規格最大値d Wi-Fi (NTTドコモ) au Wi-Fi SPOT (au)ソフトバンクWi-Fiスポット11n最大通信速度600Mbps 72.2Mbps以上 150Mbps以上 最大速度不明 11ac最大通信速度6.9Gbps ? 433Mbps以上 最大速度不明 11ax最大通信速度9.6Gbps ? ? 最大速度不明 ^ 1接続における最大値であり、デュアルバンド/トライバンド/クアッドバンドのWi-Fi親機の総容量はこれを超えることが出来る(Archer AX11000など)。 ^ ワイヤ・アンド・ワイヤレスとUQコミュニケーションズのWi-Fi網を使用 ^ 古いBBモバイルポイントも存在する。 ^ 40Mhz 64QAM 4x4MIMOの場合(2x2MIMOのスマホでは半分となる) ^ 160Mhz 256QAM 8x8MIMOの場合(2x2MIMOのスマホでは4分の1となる) ^ 160Mhz 1024QAM 8x8MIMOの場合(2x2MIMOのスマホでは4分の1となる) 固定回線向けブロードバンドにも無線を使った固定無線アクセス(FWA)が存在している。これは家の屋外や窓際に固定アンテナを設置して基地局と送受信するというものである。FWAには短距離のものと長距離のものが存在する。長距離の固定無線アクセス用に開発された民生規格では4.9Ghz帯で20Mhz幅の高出力無線LANのIEEE 802.11jが最大通信速度54Mbps、同帯同幅の固定向けWiMAXが最大通信速度74.8Mbpsと低速になっており、高速アクセス回線では主に4.9GHz帯のIEEE 802.11j/n(100Mbps以上)や18GHz帯・準ミリ波帯・ミリ波帯などの固定マイクロ回線が使われている。中継機を使うことで更に長距離での無線伝送が可能であり、主に災害で光ファイバーが切断された時のバックアップ用アクセス回線や中継回線として使われている(離島などの有線敷設が著しく困難な地域では未だ主回線として使われてる場合もある)。 洋上の航空機や遠洋の船向けのブロードバンドには「ハイスループット衛星」(HTS; 高速かつ大容量な通信衛星)による衛星インターネットアクセスが使われている。これにはインテルサットの「GX Aviation」「Fleet Xpress」、Viasat(英語版)の「Exede In the Air」、スペースXの「スターリンク」、スカパーJSATの「JSATMarine」などが存在している。また通信衛星は海底ケーブルなどの国際回線が事故や災害や事件などで切れた場合の国際通信の最後の頼みの綱ともなっており、特に海底ケーブルが1本しか繋がっていないトンガのような島国で活躍する機会が多くなっている。しかしながら宇宙との送受信を行う高速衛星通信は小型化の難しいパラボラアンテナが必要となるため用途が限られており、大気圏に置いてより小型のアンテナで送受信が可能な成層圏プラットフォーム (HAPS) も検討されている。 なお無線ブロードバンドは光ファイバー接続に比べて上りの速度が遅かったり、大気条件や建物の条件によって安定性が低くなったりするため、遠隔医療やテレワークや遠隔教育には不利となる。また輻輳にも弱いとされている。 建物内での接続安定性を上げるためには、宅内まで有線回線を引き、端末近くに無線LANのアクセスポイント(Wi-Fiスポット)やLTEのフェムトセルを設置する必要がある。また電波を線で広げる漏洩同軸ケーブル (LCX) もあり、屋内やトンネルなどで使われている。
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