演藝とは? わかりやすく解説

えん‐げい【演芸】

読み方:えんげい

公衆の前で演じられる落語漫才講談浪曲曲芸奇術その他、庶民的な演劇・音楽舞踊などの芸。「—会」


演芸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/29 05:50 UTC 版)

演芸(えんげい)は、観衆を前にして演じる芸能大衆芸能とも呼ばれる。個々の演芸の起源は様々だが、江戸時代中期に寄席と呼ばれる演芸のための常設の興行場が成立し、以降、演芸は体系化されていった。

歴史

古くから(例:奈良時代散楽)、後に「演芸」と呼ばれる演目と「伝統芸能」と見なされる演目の境目はあいまいであった。明治から大正期にかけても「演芸」という言葉には揺れが見られ、雑誌「演芸画報」や「新演芸」のように演芸を銘打ち、内容は演劇ということもあった。「演芸」という言葉がある程度定義づけられるのは、興行関係一切を取り締まりしていた警察によってである。

一般的な傾向として、徐々に人気にかげりが見え、大衆芸能の座を離れると、伝統芸能と呼ばれたり(義太夫新内)、また民俗芸能と呼ばれるように(八木節河内音頭安来節)近づいていく[注釈 1]

種類

演芸の種類には以下のようなものがある。これらの中には現在伝統芸能とみなされているものも数多くある。それぞれ言葉が指す領域は重なる部分も多く、その点に注意が必要である。

演者について

演芸を演じる者の全般的呼称としては、演芸家または芸人がある。このうち、観客に笑いを起こす芸を専門に扱う芸人をお笑い芸人と言う場合があるが、この呼称は芸人当人による謙遜の意味合いや芸域を細かく限定しまいとする精神なども含まれていた。つまり本来は、第三者が使うべき言葉ではないとも言える。しかし現在では、芸人に対して親しみの情を込める意味合いや、芸人かつテレビタレントであること、落語漫才漫談コントのボーダーレス化の反映などを意味してお笑い芸人との呼び名を使う場合なども起きている。

演芸の多くは師匠から弟子に芸を引き継いでいく形態を取り、その芸脈を保っている。しかし近年では、テレビ局や芸能事務所などの主催する演芸コンテストや、俳優声優歌手などの異業種から、師匠を持たずに演芸の世界に進出する者も数多く現れてきている。この現象は、演芸の新たな観客層の開拓にもなっているが、一方で伝統的な芸能の衰微を危惧する声もある。

演芸の行われる場所

江戸時代初期の演芸は屋外で行われた。江戸中期からは公許の演芸場でも行われるようになり、演芸の発信地として機能していった。また幕末から明治初期まで大都市の盛り場に存在したヒラキは、講談・浪曲を始めとした後の多くの演芸が寄席に進出する足がかりになる。

明治時代、日本でのレコード普及期から、演芸を吹き込んだものが発売されていた。浪花節は特にレコードの全国的普及に貢献するほど売れた。雲右衛門奈良丸が全国的な人気を博したのは、レコードというメディアの登場が大きい。ラジオの登場で、浪花節、スタイルの確立して間もない漫才など、大衆が演芸を楽しむ場になっていった。第二次大戦後、ラジオやテレビなどのマスメディアによる演芸番組がもてはやされるようになっていった。また、専属の演芸家を抱える放送局が増えていった。と同時に、寄席などの演芸場は徐々に減少していった。

寄席の減少にはテレビの影響があったことは間違いないが、演芸家にとって収入を得る場と観客の質が変化しただけだという意見もある。またテレビは、演芸の持つ大衆性、即時性、即興性、演出手法などを取り入れつつ発達していった経緯もあり、演芸の概念がマスメディアに拡大されたという意見もある。その論拠としては、テレビのバラエティ番組クイズ番組は観客をスタジオに招く形態のものがほとんどであり、観客の反応をも含めて放送することで、演芸の形態を保っているということ、そういった番組では出演者として実際に芸人を起用する場合が多いことなどが挙げられる。

とはいえ、観衆として演芸を楽しむ実演の場としては、寄席など、直にその芸に接することのできる場所に勝るものはない、と言う意見は根強く、また説得力も持っている。現代ではライブ感覚で演芸を行う場が新設されたり、演劇用の劇場ライブハウスなどで、演芸興行する事例(お笑いライブと呼ばれる)も増え、演芸の新しい潮流になっている。

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ 演芸情報を扱う『東京かわら版』の通巻1号には、寄席芸の1ジャンルとして、新内のコーナーがある

演芸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/03 04:58 UTC 版)

笑点Jr.」の記事における「演芸」の解説

お笑い芸人が芸を披露するコーナー2009年平成21年11月8日から2010年平成22年3月7日まで放送芸歴長いベテラン芸人から注目若手芸人まで幅広くジャンル漫才漫談コントマジックなど多岐にわたっている。

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演芸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 09:59 UTC 版)

金曜夜席」の記事における「演芸」の解説

ゲストによる芸を披露するコーナー様々なゲスト出演していた。

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演芸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 06:20 UTC 版)

堀江六人斬り」の記事における「演芸」の解説

衝撃的なこの事件は早速市内小芝居茶番講釈浮かれ節見世物小屋など至る所演じられた。堀江明楽座では「六人紅染」、九条町繁栄座の角藤一座も「廓の夢」、稲荷社文楽座中村信濃一座は「堀江六人斬」講釈では「怪談六人斬の生人形」が演じられいずれも客足良かったという。

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演芸

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自作自演」の記事における「演芸」の解説

ジャグリング行なうジャグラー (jongleur) には吟遊詩人のほか、旅芸人としての意味もあり、各地転々と移動し、道を往来する人々相手に芸を披露する大道芸多く演出方法自作自演のものがある。 現代においては、お笑い系のネタ多くは、芸人自らが日常生活から体験した事物ニュース等の出来事ヒント得て意外性非日常テーマ自作自演される。著名な芸人過去十数年に数百冊のネタ帳呼ばれるアイデア残して、常に持ちネタ途切れないように努めている。

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 08:39 UTC 版)

笑点」の記事における「演芸」の解説

番組前半行われるオープニング後に、司会者会場客席からゲスト紹介する5代目圓楽は「今日のはな(端=始めと「」を掛けている)」と紹介していた。また、歌丸昇太上方から登場するゲスト場合は「上方からおいでの〜」などと紹介する登場するゲスト芸歴長いベテランから注目若手まで幅広くジャンル落語漫才漫談コントマジック物真似など多岐にわたっている。毎回1組基本だが、40分番組だった時代ピン芸人の短いネタ場合2組出演するケースもあった。また、オープニングにて司会者回答者の間で紹介されていたが、30分に短縮されてからは省略された。特大号では継続されたが、2022年より演芸開始時及びオープニングで紹介寄席文字からゴシック体変更された。 通常のテレビ番組では放送される機会少ない演芸も含まれていることから、当コーナー出演映像が他のバラエティ特番や、日本テレビニュース番組有名人訃報伝えられる際には、当番組に出演した際の映像使用されることが多い。 なお、控室貼り紙においては他の番組使われる〇〇様」ではなくキャリア歴を問わずに「〇〇先生」という敬称用いられている。 主な芸種類主な出演者次のとおり。 落語 - 東西様々な落語家新作古典問わず演じる(春風亭小朝春風亭柳昇など)。他に4代目桂米丸8代目橘家圓蔵20回以上出演している。 浪曲 - 玉川カルテット歌謡浪曲)、玉川太福など 講談 - 田辺一鶴一龍斎貞水夏季怪談話)、神田山陽神田伯山など 漫才 - 上方漫才宮川大助・花子横山ホットブラザーズ中田カウス・ボタン正司敏江・玲児人生幸朗・生恵幸子春日三球・照代オール阪神・巨人NONSTYLEなど)、東京漫才内海桂子・好江春日三球・照代星セント・ルイスナイツサンドウィッチマンなど) 漫談 - 牧伸二ウクレレ漫談)、ケーシー高峰医事漫談)、堺すすむギター漫談)、ぴろき(ギタレレ漫談)、柳家紫文三味線漫談)など 手品 - ナポレオンズマギー司郎最多出演)、マギー審司北見マキ松旭斎すみえ水芸含む)など 物真似声帯模写 - 江戸家猫八3代目4代目動物声帯模写)、桜井長一郎人物声帯模写)など コント - コント山口君と竹田君ゆーとぴあ東京03アンジャッシュなど パントマイム - カンジヤママイムがーまるちょば山本光洋など その他 - 曲芸海老一染之助・染太郎)、紙切り3代目林家正楽)、コミカルソング(テツandトモ)、音楽演奏浅草ジンタ)、南京玉すだれなど コーナー最多出演者マギー司郎で、2016年時点49出演している。 星セント・ルイスツービートなど後の漫才ブームブレイクした漫才師たちも早い時期から演芸に出演していた。特にセント・ルイス1970年代半ばごろに収録の間の時間つなぎをする「マエラク」を担当していた縁もあり、1977年昭和52年)の『NHK新人漫才コンクール』でセント・ルイス優勝する直後4カ月の間に演芸に3回出演させ番組ぐるみでブレイク後押しした。その一方実際に漫才ブーム訪れた1980年代初期にはブーム中心となった漫才師らがほとんど出演しなかった。これは『笑点』から出たずうとるび」を通じてブームそのものはかなさ怖さ知ったという当時プロデューサーが「ブーム便乗するブーム去った時に番組も終わる」と判断し漫才ブームから距離を置く姿勢取ったためである。また裏番組吉本興業制作していたヤングおー!おー!があったという事情もあった。ただし、漫才ブーム沈静化した後はセント・ルイスおぼん・こぼん西川のりお・上方よしおオール阪神・巨人今いくよ・くるよなどブーム中心担った漫才師も演芸に出演している。 5代目圓楽司会当時は、毎年新年1回目の演芸で5代目圓楽落語披露されるのが恒例となっていた。現在では当番組内で落語放送することは滅多にないが、派生番組の『笑点 特大号』では落語不定期に放送している。また、2014年6月8日歌丸復帰回と10月19日木久扇復帰回は自身病気療養間中エピソードを、2016年9月4日にはたい平24時間マラソン挑戦した際のエピソード落語風にして披露したかつては地方収録の回で、大喜利メンバー落語披露することが多かった2000年代後半以降笑点メンバー演芸コーナー出演するコラボネーションネタも不定期に実施されており、木久扇&カンカラ木久扇たい平&鉄拳好楽&ヒロシ歌丸&ナイツ昇太&サンドウィッチマン6代目円楽テツandトモなどの組み合わせこれまで行われている。2018年9月30日から10月28日には、5週連続笑点メンバーとのコラボ演芸が行われた(後述)。 2006年平成18年1月22日の第2000放送と、同年5月14日の「40周年スペシャル」では、(当時の)演芸最多出演者として、マジックナポレオンズ出演したナポレオンズ出演回数47回=2016年現在)。 2016年1月17日には司郎マジック特別出演として、日曜ドラマ臨床犯罪学者 火村英生推理』の主演である斎藤工窪田正孝出演した

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演芸

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土崎神明社祭の曳山行事」の記事における「演芸」の解説

曳山行程途中各所停まり踊り披露される子供輪踊りもある。これらの踊りのことを演芸と称する曲目は、民謡演歌流行りの歌等々であり、テープCD用い場合が多い。 中でも秋田音頭」は、全町内で採用されている スタンダードナンバーである。テープCD用いず囃子方歌い手生演奏する町内もある。振り付け全町内とも似ているが、町内ごとに工夫している部分もある。その発祥は、一説には、若い武士柔術の型を踊りしたものに、さらに上方旅役者歌舞伎六方表現加えたものとされる。亀ちゃ(仁井田1856年 - 1916年)が名人として知られ、その弟でやはり名人の福ちゃ(仁井田)が1915年大正4年)から土崎港広めたとされる古くは「男踊り」と呼ばれ女性男性の服装をして踊ることが多かったという。 戻り曳山のときは、簡単な振り付け土崎盆踊りが踊られ、酒が入った曳き子が自ら参加することが多い。どの町内でも囃子方生演奏する。その太鼓は、「どんどこどっけ、どんどこどっけ、どんどこどっけ、どん」というノリ良いリズムである。4拍子楽譜書けば、たった3小節単位リズム何度も繰り返すシンプルなパターンであり、踊りも同じ繰り返しである(笛の旋律は3小節繰り返しではなくいくつかバリエーションがある)。

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