演色性の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 03:56 UTC 版)
三波長発光形蛍光灯 - EX全光束(明るさ)が高く、演色性もRa80–90とある程度よいため、一般家庭を中心にオフィスなどでも普及している。東芝のメロウ5は5色発光だが、三波長に分類される。食品展示用に四波長としたものもある。長寿命化を謳った高価格帯も存在する。 高演色形蛍光灯AAとAAAがある。全光束は三波長形の6割程度と低いが、演色性がRa90–99と高いため、美術的にシビアな色彩処理が要求される場所で使用される。ほとんどが直管の製品(スタンド用コンパクト型もある)。太陽光を再現するために意図的に紫外線も放射する物(蛍光色の物の見え方が違う)や、逆に美術品保護のために紫外線吸収膜をつけたものがある。電球色から昼光色までその色温度ごとに高演色形があるが、白色で演色AAAのものはまれ。 一般型(普及型)蛍光灯演色性がRa60–75と低く、全光束も三波長形の7.5–8割程度とあまり高くないが、安価である。「一波長形」と呼ばれることもあるが、単色光源ではない。顔色や木質製品の色が悪く見えるため、三波長形が出回る前は蛍光灯を嫌う人も多かった。名称に反して、一般家庭ではあまり使われておらず、スーパーなどでもあまり販売例を見かけないが、インターネット通販やディスカウントストア、100円ショップでは取り扱いが多い。店頭では基本的に安価な包装で販売されているため見分けが付き易いが、特にインターネット通販では販売元の公式サイトやカタログでRa値を確認する必要がある。事務所や倉庫など、色の見え方があまり気にならない場所や、学校のように利用時間帯および太陽光の採光条件がよい環境での補助照明として用いるのに適している。 その他カラー蛍光灯など。近年、心理学的に街灯を青くすると犯罪発生が減るという仮説があり、ブルー蛍光灯の使用が増えている(青色防犯灯、自殺#自殺の手法も参照)。半導体工場のクリーンルームや虫除け(忌避灯)には、短波長(500 nm–紫外線)をカットした黄色の蛍光灯が使われ、アクアリウム用には、さまざまな色温度の蛍光管が売られている。それらのほとんどは直管の製品である。 色彩に関する事業所や病院、美術・博物館向けに、各光源色に演色性を重視した設計の高演色形「SDL」や色評価用「EDL」がある(この場合の演色性とは「特殊演色評価数」、つまり原色を基準色とした見え方の忠実度を指す。これは通常用いられる、中間色を基準色とした「平均演色評価数」よりも達成が難しい)。まれにRaが90を超えていてRaでは演色AAの製品に匹敵する三波長形の製品があるが、この点で演色AAの製品とは異なる。
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