湖畔とは? わかりやすく解説

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湖畔〈黒田清輝筆 一八九七年/油絵 麻布〉

主名称: 湖畔〈黒田清輝筆 一八七年油絵 麻布
指定番号 1970
枝番 00
指定年月日 1999.06.07(平成11.06.07)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 1面
時代区分 明治
年代 1897
検索年代
解説文:  黒田清輝一八六-一九二四年)は、近代日本洋画史に最も大きな足跡残した画家一人である。明治十七年(一八八四)に渡仏してパリ法科大学留学するが、転じて洋画家志してラファエル・コラン師事し明治二十六年(一八九三)に帰国する明度の高い色彩による新画風紹介して洋画界に鮮烈な新風吹き込み従来洋画家たちの旧派に対して世に新派称された。明治二十八年内国勧業博覧会では「朝」を発表しいわゆる裸体画論争起こした。さらに同二十九年、久米桂一郎白馬会結成する一方東京美術学校西洋画科の指導任され、同三十一年に同科初代教授となった。同四十年の文部省美術展覧会開設に際しても、指導的な役割果たしている。
 麻布キャンバス地に、的確なデッサン薄め彩色浴衣姿婦人を描く本図は、明治三十八月箱根滞在中に芦ノ湖畔で制作され同年第二回白馬会展に「避暑」の題名出品された。黒田は「昔語り」(明治三十一年)や「智・感・情」(同三十年・三十三年に加筆)など、西欧絵画伝統に基づくいわゆる構想画を日本根付かせる努力をした一方で、「舞妓」(明治二十六年作、昭和四十三年四月二十五日指定重文のような日本的な風物好んで画題選んでおり、油彩画日本的展開の可能性を、多様なかたちで追求したことがうかがわれる。「湖畔」では日常的な題材、すなわち団扇を手に涼をとる婦人像という日本的な主題に、西洋画技法融合させる試みなされている。それは例えば、外光ふんだんに取り入れた表現試みながらも、画面全体薄青色を主調とする淡い寒色系の色調でまとめ、油彩画特有の光沢の強い質感避けている点等に認めることができようその意味で、本図日本洋画史上重要な画家である黒田代表作であるにとどまらず日本的な油彩画作品として一つ典型完成したともいえる。
 本図発表当時から世評高かったが、明治三十三年一九〇〇)のパリ万国博覧会に「智・感・情」他三点とともに出品されており、作者としても自信作であったことが推測される明治・大正期美術回顧する最初大規模展である昭和二年の「明治大正名作展覧会」(東京府美術館朝日新聞社主催)には「湖畔美人」の題で出品され、すでに明治後半期洋画代表する一点評価されており、以後今日に至るまで、近代洋画としては最も広く日本人親しまれている。
 なお本図は、黒田遺言により開設され美術研究所(現東京国立文化財研究所黒田記念室に、遺言昭和十年に「湖畔」の題名寄贈され今日至っている。




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