海兵隊の移転への対応策
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「フェリクス・ペレス・カマチョ」の記事における「海兵隊の移転への対応策」の解説
2006年5月、日米間で合意された再編にかかわるロードマップにて第3海兵遠征軍司令部、後方部隊などの移転が決まるのと前後して、グアム準州の上層は歓迎の意向を示した。副知事のカレオ・モイランは2006年5月下旬に来沖した際宜野湾市を訪問し、後に全面移転説を唱えることになる市長の伊波洋一とも会談している。 モイランの日本訪問に先だち、日本の衆議院議員下地幹郎(当時国民新党)は2006年5月上旬にグアムを訪問し、「グアム - 沖縄間の直行便(航空路線)の開設」や「沖縄からの技術力と労働力の供給」を提案している。その関係からモイランは日本訪問時に下地とも会談しているが、この時の下地の報告ではグアム労働者は8万人となっていた。下地は一連の活動の動機として「沖縄県内の企業が県外で活躍し、外向きの沖縄経済をつくるスタートになる」との意図を明らかにしている。 2007年5月10日にはPIRのニュースとしてグアム準州政府が基地建設にミクロネシア人労働者を求めていると報じられた。グアムでは建設労働者の人材に乏しく、中国、台湾、フィリピンなどに労働力供給を依存していたが、国務省がグアムと近隣にあり、アメリカと自由連合関係を有している、パラオ、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦の人々を活用すべきであると認識していた事も背景としてあったと言う。。2007年9月にはカマチョ自身が準州政府関係者を連れて訪日し、外務副大臣の小野寺と会談している。 2009年3月31日には沖縄県建設産業団体連合会の会長呉屋守将らが記者会見し、在沖海兵隊のグアム移転に伴う整備事業への県内企業参入を目指し、新組織を立ち上げると発表している。目標は日本政府負担約6000億円のうち、600億円(約10%)程度の工事受注であった。組織設立後は現地の住宅・インフラ整備の実施主体となるSPE(特定目的事業体)への参入を図ると言う。 政治的な面において、友好的な姿勢が修正されたのは日本で政権交代があってからであった。この問題が顕在化するのと同時期に、既に移転前の状態でも水道の断水が頻発し、日本人観光客のかき入れ時期である年末年始は特に酷くなることが指摘されていた。台風が襲来する度に配電網に打撃を受けるため、電力ポンプに頼っている水道も断水するという背景があった。その後、カマチョは2009年12月、防衛大臣である北澤俊美の訪問に合わせて、普天間の全機能を受け入れる能力はないとの見解を表明した。また翌2010年1月には、海軍長官のレイモンド・メイバスに対して現行計画についても期間を延長するように求めた。インフラの能力が追いつかないこと、基地建設のための労働者を含め、一時的に島の人口(当時約17万)が数万人増加することが主要な懸念材料であるという。 カマチョは共和党であったが、移転延長論についてはグアム選出の下院準議員マデレーン・ボーダロ(英語版)(民主党)も同様の見解を示している。なお、受け入れ問題の背景の水道整備については、朝日新聞が具体的な数字を交えて水道需要の不足見通しを報じている。 「普天間基地移設問題」も参照
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