民間型の開発とは? わかりやすく解説

民間型の開発

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/17 06:26 UTC 版)

Ju 90 (航空機)」の記事における「民間型の開発」の解説

ルフトハンザ航空(Deutsche Lufthansa AG)は1933年早期から長距離旅客機要求出していた。Ju 89開発プログラム空軍により放棄されときには試作3号機が半完成状態であり、ルフトハンザ航空は、この機体を元の主翼尾翼残し、これに新規に製造した幅広い胴体組み合わせて旅客機改装するように要求した。この新し機体Ju 90名付けられた。 ユンカース Ju 902枚垂直尾翼付いた水平尾翼をもつ4発の全金属製低翼単葉機である。主翼前縁顕著な後退角付き後縁はほぼ直線となっている。主翼構造は5本の管状表面滑らかな圧延外皮構成されていた。ユンカース特有の"2重翼(double wing)"と呼ばれる全幅に渡る複合フラップエルロン取り付けられていた。尾翼部分にのみユンカース社伝統の波型外皮採用していた。垂直尾翼顕著に突き出して装着され方向舵水平尾翼の端に取り付けられ方向舵昇降舵とは隙間置いて離れており別の形で2重翼を構成していた。これらの尾翼Ju 89からの流用であった新し胴体圧延され滑らかなジュラルミン外皮覆われ円形断面で、左右5組長方形の窓が付いていた。8座席コンパートメント内には1組の窓と、中央の通路挟んで相対する2座席配されており、これが4つ5つあった。5つコンパートメントを持つ機体最大40名の乗客収容できた。機体後尾にはトイレクロークルーム郵便保管庫備えられ荷物客室前方搭載した胴体当時標準としては大きかったが、その直径(2.83 m、9 ft 3.5 in)はボーイング737(3.52 m、11 ft 6.5 in)よりはかなり小さかった尾輪は完全引き込み式で、単車輪の主脚油圧内側のエンジンナセル内に引き込まれた。 最初試作機Ju 90 V1は820 kW (1,100 hp)のダイムラー・ベンツ DB 600C 倒立V型液冷エンジンを4基装備していた。このエンジンは前のJu 89民間型生産機Ju 90のものより大出であった。「大デッサウアー(Der Grosse Dessauer)」という名を付けられたこの機体1937年8月28日初飛行し、ルフトハンザ航空は8箇月に渡る飛行テスト後で長距離飛行テスト実施した1938年2月6日に、この試作機はオーバースピード試験中に墜落した試作2号機V2)は1938年5月テストのためにルフトハンザ航空納入された。全ての民間型生産機Ju 90同様にこの機に620 kW (830 hp) のBMW 132 星型エンジン装着された。本機エンジンを低出力エンジン変更した理由は、おそらくダイムラー・ベンツ社が生産するエンジンを、より戦略的に重要な第一線機に優先配分するためであった。この機は「プロイセンPreussen)」と命名され熱帯運用テスト中の1938年11月26日ガンビアバサーストBathurst)で離陸中に墜落した。この墜落離陸中のエンジン故障起因する考えられるこのようなつまづきにもかかわらずルフトハンザ航空量産型のA-1を8機発注し、それとは別に続く2機の試作機使用したV3バイエルンBayern)」は1938年7月からベルリン - ウィーン間に就航し1938年中に総計62,572 km飛行したと言われている。ルフトハンザ航空はA-1を7機しか受領できず、最後の1機は1940年4月直接ドイツ空軍に納入された。 南アフリカ航空670 kW (900 hp)のプラット・アンド・ホイットニー ツインワスプ エンジン搭載の2機のA-1を発注した。これらの機体BMW社製エンジン搭載したZ-2区別するために、Z-3というもう一つの名称を持っていた。これらの機体南アフリカ航空には納入されず、代わりにドイツ空軍行った戦争進行に連れて残存していた6機のルフトハンザ航空機体ドイツ空軍に徴発されたが、後に2機が返還された。元ルフトハンザ航空機体の内4機がノルウェー侵攻使用された。 4番目の試作機V4が980 kW (1,320 hp) のユンカース ユモ 211F/L エンジン搭載して1941年7月ドイツ空軍に就役した。

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