歌舞伎『松竹梅湯島掛額』とは? わかりやすく解説

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歌舞伎『松竹梅湯島掛額』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 23:15 UTC 版)

八百屋お七」の記事における「歌舞伎『松竹梅湯島掛額』」の解説

松竹梅湯島掛額福森久助作「其往昔恋江戸染」の「吉祥院お土砂の場」と、河竹黙阿弥の「松竹梅雪曙」の「火の見櫓の場」を繋ぎ合わせた2幕物で松竹梅湯島掛額の1幕目の「吉祥院お土砂の場」は歌舞伎では珍しいドタバタ喜劇であり、アドリブも多い。八百屋お七物の全幕物のなかでは松竹梅雪曙とこれが現代21世紀初頭上演される数少ない全幕物八百屋お七である。 松竹梅湯島掛額/松竹梅雪曙通称お土砂と言われるが「お土砂」は大事な小道具で、お土砂真言密教秘密の加持施した砂でこれを死体にかけると死体柔らかくなると言われている。この物語では生きた人間お土砂をかけるかけられ人間は体が柔らかくなり力が抜けてぐんにゃりとなってしまうことになっているまた、主役お七と吉三郎ではなく、紅長こと紅屋長兵衛お七である。 (吉祥院お土砂の場のあらすじ)幕が通常とは逆に上手から開く。舞台鎌倉時代江戸の町江戸木曽義仲攻めてくるともっぱらのうわさで人々駒込吉祥院避難してくる。吉祥院本堂欄間左甚五郎とされる天女像で有名で天女美しく、また八百屋の娘お七天女そっくりの美人である。町の娘達の人気者紅屋長兵衛(紅長・べんちょう)はお七ととても仲のよい紅売り化粧品売り)である。吉祥院寺小姓三郎恋するお七は吉三郎夫婦なりたいと母に願う。しかし、釜屋兵衛から借金しているお七の家は、返済代わりにお七と武兵衛縁談進めていると言われお七悲しみ、紅長が慰める。そこに吉三郎家来の十内がやってきて、吉三郎帰参かなって国許帰り家老の娘と結婚するのだと言いお七はまた悲しみ、紅長が慰める。母は十内にお七と吉三郎結婚を願うが、身分違いとんでもないと断られる。そこに吉三郎やってくるが、実は吉三郎宝刀天国の剣」を探さなければならない身でその期限せまっている。吉三郎は十内に女にうつつを抜かしている場合ではないと怒られる釜屋兵衛案内され源範頼公の家来長沼六郎お七探しやってくる源範頼公がお七美しさ聞いて愛妾にしたがっているのだという。長沼六郎お七居場所問い詰められた寺の住職は困るが、紅長の発案欄間天女像を外してそこにお七入れる。長沼六郎欄間天女像の美しさ感心するが実はそれがお七本人だとは気が付かない。その騒ぎ聞いて三郎やってくるが、紅長のお七への入れ知恵によって、吉三郎お七夫婦になる約束させられるさて、長沼六郎釜屋兵衛お七探して寺中調べるが、お七死んだ聞かされる長沼六郎釜屋兵衛疑い、やってきた棺桶の中を調べるが、棺桶から出てきたのは死者扮した紅長。大の字立ちはだかる紅長が釜屋兵衛張り倒し釜屋兵衛が紅長にかけようとした「お土砂」を奪って逆に釜屋兵衛にかけると釜屋兵衛は「ぐんにゃり」となる。紅長は長沼六郎たちにもお土砂をかけてぐんにゃりとさせて、お七下女お杉を逃がす。調子に乗った紅長は舞台上の人々に楽しそうお土砂をかけてお七お杉以外の登場人物舞台の裏方たちをぐんにゃりとさせる。そこにハプニングがおこり洋服観客舞台乱入してくる。観客引き止め劇場女性従業員舞台上がる。紅長は観客女性従業員 にもお土砂をかけてぐんにゃりさせる。さらに紅長は下手か幕を引きに来た幕引きにもお土砂をかけてぐんにゃりさせる。幕引きまでぐんにゃりさせた紅長は楽しそうに自ら幕を引く。 (火の見櫓の段のあらすじ) (場面前提。吉三郎主君宝刀を見つけられなかったことで明日にも切腹となることになり、それを聞いたお七嘆き悲しむ。その宝刀自分の家来ている武兵衛もっていることを知ったお七は吉三郎のもとに行きたいが、夜間の事ゆえ町の木戸固くまっている。今夜の内に宝刀取り戻さないと吉三郎の命は救えない。) お杉お七は町の木戸開けてくれるよう番人に頼むが、夜は火事のとき以外は開けられない固く断られる目の前に火の見櫓はあるが、火事でもないのに火事知らせ太鼓(あるいは半鐘)を打つのは重罪であるとお杉恐れる。やがてお杉主人呼ばれる一人になったお七決心しに登って太鼓を打つ。太鼓聞いて木戸が開く。そのときお杉宝刀取り返してくる。追ってくる武兵衛お杉阻止している間に宝刀持ったお七木戸通って三郎のもとに走っていく。2幕目は通常のように下手から幕が開く。

※この「歌舞伎『松竹梅湯島掛額』」の解説は、「八百屋お七」の解説の一部です。
「歌舞伎『松竹梅湯島掛額』」を含む「八百屋お七」の記事については、「八百屋お七」の概要を参照ください。

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