半鐘とは? わかりやすく解説

はん‐しょう【半鐘】

読み方:はんしょう

釣鐘小さいもの。本来は寺院陣中などの合図用いたが、江戸時代から火の見櫓(やぐら)につるし、火災洪水盗賊などの非常時に鳴らすようになった

紋所の名。1図案化したもの

半鐘の画像
半鐘の紋所

半鐘

読み方:ハンショウhanshou

鐘の一種で、本来仏寺合図などに用いたが、のち火災その他を知らせる具ともなった

別名 殿鐘


はんしょう 【半鐘】

→ 鐘

半鐘

作者黒島傳治

収載図書定本黒島傳治全集 第1巻 小説 1
出版社勉誠出版
刊行年月2001.7


半鐘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/02 02:13 UTC 版)

火の見櫓の上に設けられた半鐘

半鐘(はんしょう)とは、小型の釣鐘のことである。

江戸時代には、火の見櫓の上部などに取り付け火災洪水発生時などに鳴らし、地域の消防団を招集するとともに近隣住民に危険を知らせた。そのため、警鐘とも呼ばれる[1]

概要

もとは寺院で時間を境内の僧侶に知らせるために使用されているもので、現在も法要開始などの合図用として使用している。合戦時には陣営での合図にも使われた。明治時代以降、近年まで用いられていた。

大きさにより、寺院に吊るされている比較的大きな鐘を梵鐘、それより小さなものを半鐘、さらに小さなものを喚鐘と分ける場合がある。また、役割により、合戦で用いられるときには陣鐘、禅寺の玄関などで参詣人を呼び迎えるために用いられるものを喚鐘と呼ぶこともある[2]

江戸時代には災害発生時に地域毎に鐘の打ち方が定められ、火災の大まかな場所や災害の種類が分かるようになっていた。また他にも時報や慶弔など様々な情報を伝えるために使う地域もあった。

現在、それらの多くはサイレン市町村防災行政無線などに役目を譲っており、現存するものは消防団が活躍する一部地域を除いて地域のシンボル代わりに残されている場合がほとんどである。もっとも、東海地震警戒宣言が発された際大津波警報が発令された時には従来どおり使用される(鳴らし方が定められている)[3]

2019年令和元年東日本台風(台風19号)の豪雨の際には、堤防決壊寸前の危機を知らせるため、団員がさらされる危険も考慮しながら限定的に使用されたケースもある[4]

なお、火災現場すぐ近くの半鐘は、火元であることを知らせるため、乱打で続けざまに鳴らす。この鳴らし方を擦半鐘(すりばんしょう)、略してスリバンと呼ぶ。また、鎮火の際は2点連打がされるが、この2点連打を「おじゃん」といい、転じて今までやって来た事が全て無駄になることを指し「おじゃんになる」と言うようになったという説もある[5]

打ち鳴らし方は各府県令によって定められたが、たとえば東京市東京府における警鐘による信号は次のとおりであった。

東京市内(明治36年10月訓令第41号)
近火信号 ○-○-○-○-○ 連点打 鎮火まで
報知信号 ○ ○ ○ 一点打 3回
総出信号 ○-○-○ 三点打 5分間
市内応援信号 ○-○ 二点打
郡部信号 ○ ○ ○ 一点打
御近火信号 ○-○-○-○ 四点打
鎮火信号 ○ ○-○ 一点と二点の交打 1回
非常信号 ○-○-○-○-○ 五点打 10分間
東京府下(大正12年2月警視庁令第9号)
火急信号 ○-○-○-○-○ 連点打 適当時
報知信号 ○ ○ ○ 一点打 3回
応援信号 ○-○-○ 三点打 適当時
水災信号 ○-○ 二点打 5分間
演習信号 ○-○ ○ ○-○ ○ 二点と一点の交打
御近火信号 ○-○-○-○ 四点打
鎮火信号 ○ ○-○ 一点と二点の交打 1回
非常信号 ○-○-○-○-○ 五点打 10分間

「交打」は「斑打」とも呼ばれる。

競輪では残り1周半を通過した時点から最後の1周の地点まで半鐘(ベル型や銅鑼の場合もある)が打ち鳴らされ、最後の1周が近いことを選手や観客に伝達する。これを打鐘(だしょう)と呼んでいる。競輪用語では「ジャンが鳴る」といい、同名の漫画も存在する。

盗難

2006 - 2007年およびその前後には、国際的な金属価格が高騰。日本の各地でさまざまな金属製品の盗難が相次いだ。半鐘も例外ではなく、しばしば被害に遭っている。一部はスクラップとして中華人民共和国輸出されるケースも見られた[6]

ギャラリー

出典

  1. ^ 警鐘』 - コトバンク
  2. ^ 緇川涀城 (1972). 鐘の話 : 日本の鐘・世界の鐘. 百華苑. p. 2-3 
  3. ^ サイレンの吹鳴・警鐘の打鐘方法” (pdf). 秋田県にかほ市. 2023年4月7日閲覧。
  4. ^ 長野放送 (2019年10月20日). “堤防決壊の夜に半鐘鳴らす 危険知らせ避難呼びかけ”. FNN.jpプライムオンライン. 2019年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月19日閲覧。
  5. ^ おじゃんになる イミダス
  6. ^ 盗難被害の半鐘を不正輸出、関税法違反で書類送検 茨城 asahi.com 2007年11月1日

関連項目

外部リンク


半鐘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 00:13 UTC 版)

土支田八幡宮」の記事における「半鐘」の解説

1991年平成3年)に区の登録有形文化財となる。銅製で、総高58センチメートル口径34センチメートルである。「延享丙寅十月造之 于時天保十五甲辰九月改造武州豊嶋郡下土田村久保 八幡山萬福寺」、「粉川市正作」の陰刻があることから、1746年延享3年)に造られ1844年天保15年)に鋳物師粉川市正造り直したこと、廃寺となった万福寺遺品であることがわかる。

※この「半鐘」の解説は、「土支田八幡宮」の解説の一部です。
「半鐘」を含む「土支田八幡宮」の記事については、「土支田八幡宮」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「半鐘」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「半鐘」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「半鐘」の関連用語



3
擦半 デジタル大辞泉
100% |||||



6
湿り半 デジタル大辞泉
100% |||||

7
半鐘泥棒 デジタル大辞泉
100% |||||

8
98% |||||



半鐘のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



半鐘のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
中経出版中経出版
Copyright (C) 2025 Chukei Publishing Company. All Rights Reserved.
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの半鐘 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの土支田八幡宮 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS