半鋼製新製車の構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 20:00 UTC 版)
「国鉄72系電車」の記事における「半鋼製新製車の構造」の解説
72系新製車の半鋼製車グループは、基本的にモハ63形の基本設計を踏襲し、20m級切妻車体に幅1,000mmの片引扉を4箇所設けた構造を採用している。 窓も63系以来の3段窓が踏襲されたが、63系体質改善工事車と同様、中段も上昇できる構造となった。車体外板も戦前型並みの標準板厚に戻り、63形では省略されていた扉上部の補強帯(ヘッダー)が復活し、台枠部分にも外板が張られた。 モハ72形は完全な中間車となり、モハ63形では扉はすべて運転台のない後位側に引かれていたが、車体中央から2枚ずつ車端側に引かれる構造となった。屋根高は63形の3,720mmに対して3,650mmとされ、若干屋根が浅くなり、車端部の断面から受ける印象が変わった。 電動台車は、新型の軸ばね式鋳鋼台車であるDT17(のちの増備車での電動台車は、鋼板プレス溶接構造のDT20になる)に、また付随台車も同時期製造の80系や70系と共通の軸ばね式鋳鋼台車のTR48となり、主電動機は従来の63形と同等のMT40(端子電圧750V時定格出力142kW)である。 主制御器は自動加速のカム軸式ではあったが、63系の電空カム軸式(空気圧作動式)のCS5から、80系で採用されていた電動カム軸式のCS10に変更され、作動性や加速性能が向上した。 ブレーキは従前からのA動作弁によるAMA/ACA/ATA自動空気ブレーキを踏襲している。
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