明・清への朝鮮燕行使とは? わかりやすく解説

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明・清への朝鮮燕行使

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 07:21 UTC 版)

朝鮮燕行使」の記事における「明・清への朝鮮燕行使」の解説

朝鮮から明に送った使節1年3使の定期使行と非定期使行があり、李氏朝鮮建国1392年)から明滅亡(1644年)までの252年間の使節団の数は定期使節だけで約700回以上を派遣した朝鮮燕行使は、丙子の乱李氏朝鮮清に降伏した1637年から、日清戦争により冊封体制から解放される1895年まで約250年続き、その回数500回以上或いは清の入関1645年)から甲午改革1894年までの250年間の数は約600回(当初毎年4回、1644年以降は年1回)。これは、当時の清の冊封受けていた琉球2年1回)、タイ3年1回)、ベトナム4年1回)などの朝貢使節比べても、李氏朝鮮から日本への朝鮮通信使不定期、約20年1回)と比べても、突出して多いものであった一般的に1回使節団規模が約300人で、明・清への派遣人数それぞれ延べ20万人である。明・清交易情報交換文化交流書籍購入などさまざまな交流行い、その知識朝鮮持ち帰った世界政治・経済文化中心明・清派遣され使節団文化的政治的社会的影響膨大であった。しかし、韓国では戦後日韓友好論による朝鮮通信使研究圧倒的多数占めており、朝鮮燕行使による研究少数である。これは、戦後韓国歴史学界では、中国宗主国崇める慕華思想基づいている朝鮮燕行使は、それこそ事大主義代表するものとして認識され研究対象にならなかった。 現代韓国では、「朝鮮燕行使進貢よりも朝鮮燕行使への回賜の方が多かった中国との宗属関係は形式的なもので、実質的に貿易実益狙った経済活動だった。政治的な隷属関係ではない」という主張がある。しかし、最新の研究によれば清朝宮廷から朝鮮燕行使への回賜は、進貢のわずか10分の1だったことが明らかになっており、朝鮮中国搾取される一方最貧国だった。黄文雄は、「朝鮮は、『礼儀の国』や『君子の国』と称されるのを誇りにしているようだが、それはまさしく属国としての誇りほかならない。その言葉宗主国である中国対す属国の礼を忠実に守る国を指すものだ。中華帝国配下にある国王原則として中国皇帝臣下として任命されていた。朝貢は、礼部管轄とされていた。朝鮮朝貢使節北京詣でをする際は、諸侯の礼さえ受けられない粗末な待遇だった。そもそも中国属邦なかでも朝鮮地位は最も低く下国のなかの下国であった朝鮮国王言動中国皇帝逆鱗触れたときは厳しく処罰され貨幣鋳造権停止処分受けたこともある」と評している。吉田光男は、「清との関係言えば初め朝鮮屈辱的な関係を強いられます。それまで明と安定的な関係を保っていましたが、南からの日本攻撃による傷跡癒えるまもなく、満洲族興した清が北から攻めてます。そして漢城陥落国王降伏の儀式を行わされ服従を誓わされますそれ以上屈辱的だったことは、それまで野人と言って野蛮視していた満洲族の下に組み込まれたことでした。にも拘わらず500回にも及ぶ使節派遣する、しかも朝貢するというカタチで。心中認めたくない、でもカタチとしては認める、そうしない朝鮮独立保てない、といった苦衷秘めながら。ところが100年も経つと、だいぶ認識変わってます。確かに支配者変わったけれど、中国そのもの変わっていない。文化的には却って中華文明によって支配されている、というように。そして国内的にも、清朝から冊封されるということは正統王朝であると国民納得できる」と評している。

※この「明・清への朝鮮燕行使」の解説は、「朝鮮燕行使」の解説の一部です。
「明・清への朝鮮燕行使」を含む「朝鮮燕行使」の記事については、「朝鮮燕行使」の概要を参照ください。

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