日本に古くから伝えられる合食禁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 17:38 UTC 版)
「合食禁」の記事における「日本に古くから伝えられる合食禁」の解説
鰻と梅干し: 鰻の脂っこさと梅干しの強い酸味が刺激し合い、消化不良を起こすとされた。ただし実際はむしろ酸味が脂の消化を助けるため、味覚の面も含めて相性の良い食材である。『養生訓』には「銀杏に鰻」と記されており、これが転じたとするほか、高級食材である鰻の食べすぎを避けるためなど諸説があるが、医学的な根拠が見つかっていないため定説はない。 天ぷらと氷水: 水と油で消化に悪いとされた。実際、胃の負担が増加し、消化に支障をきたすことが確認されている。 天ぷらと西瓜: 同上。 ヤギと冷たい飲み物: 主に沖縄県。ヤギの脂肪が胃の中で冷やされ、凝固して気分が悪くなるといわれる。これも「水と油」の例と思われる。 蟹と柿: 本草綱目に記載。体を冷やすとされた。実際に、蟹の身に体温を下げる効果があることが確認されている。柿の実も同様。この食べ合わせは李氏朝鮮の国王景宗の死因とされる。 蟹と氷水: 同上。 鮎と牛蒡: 旬が大幅にずれている例。冷蔵技術が未発達だった当時、時期外れの食品は傷んで食中毒の原因になったためと思われる。 浅蜊と松茸: 同上。 蕎麦と田螺: ほとんど噛まずに食べる蕎麦と、硬く消化に悪いタニシの組み合わせで、さらに消化を悪くするとされる。 蕎麦と茄子の漬け物:体を冷やすとされた。 両方とも体を冷やす作用があることが確認されている。 おこわと河豚: 高級食材の食べ過ぎ防止。現在でも贅沢の極みとして避けられることが多い。 筍と黒砂糖: 共に古くは高級食材であったことから、贅沢を戒めているとされる。現在でも殆ど見られない食材の組み合わせの一例でもある。 胡瓜と蒟蒻: 不明。 泥鰌と山芋: 単に食感の問題と思われる。 蛸と蕨: 蕨(わらび)の過剰摂取により、ワラビ中毒(蕨特有の主成分に依るもの)を引き起こす危険性がある。 蛸と梅: ここでいう梅とは青梅(あおうめ)のこと。上記と同様に青梅の過剰摂取で青酸配糖体による中毒を引き起こすため。 胡桃と酒: のぼせやすくなるとされた。胡桃の実には血圧を上げる効果があるため。 鮫と梅干、数の子と熊の胆、小豆飯と蟹肉、西瓜と干鱈: 命に関わる組み合わせで、死亡例も報告されている。 タコとアワビ、蟹と椎茸、フグと青菜、鯖と芋がら、海老と茸、タコと浅漬け、鮎と牛蒡、鯉と生葱: 消化器系に異常をきたす組み合わせ。
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