新和時代とは? わかりやすく解説

新和時代(1985年 - 1991年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 14:05 UTC 版)

ダンジョンズ&ドラゴンズ」の記事における「新和時代(1985年 - 1991年)」の解説

すでにいくつかのテーブルトークRPG日本語発売されテーブルトークRPG元祖であるD&D翻訳待望される中、1985年株式会社新和よりついに日本語版のD&D出版される基礎となったルール原語版でいうDungeons & Dragons第4版ボックス型ゲーム)。現在では「クラシックD&Dと言われるルールである。ボックス体裁掲載イラストなど原語版のものをそのまま用い翻訳オーアールジー大貫昌幸メインになって行われた新和Dungeons & Dragonsサプリメントシナリオ集スペルカードなどのアクセサリーなどを好調に翻訳していき、また、1988年には『オフィシャルD&Dマガジン』という専門サポート雑誌創刊重厚な体制ユーザープレイ環境サポートしたまた、この「新和時代」においてのD&D広がり貢献したのがグループSNEである。グループSNE翻訳製品開発こそしなかったものの、小説ドラゴンランス戦記』の翻訳や、リプレイロードス島戦記』の連載などメディアミックス方面においてD&D精力的な紹介活動行っていった。 新和D&D好調に展開し1980年代テーブルトークRPGといえばD&D代名詞になるくらいに日本でも独占的なシェアを持つに至ったが、1989年の『ソード・ワールドRPG』の販売きっかけ日本テーブルトークRPG安価手軽な文庫形態ゲーム多くなってくると状況変化する新和D&Dコストの高さから初心者へのエントリーゲームとしての地位徐々に失っていくことになり、1990年代にはユーザーの間でのD&D位置付けが「中級者上のマニア向けゲーム」というものにシフトしていく。新和自体販売戦略中級者上向けにシフトしサプリメントなどは徐々にヘビーユーザー向けなものが増えていった。これが結果的に良い方向傾き多くライバル国産ゲーム出てくる中でも国産ゲームとは雰囲気異なる「洋ゲー風味コア製品のラインナップ一定のファン層D&D掴み続けることになる。 しかし1991年新和始めたアドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ』(原書での『AD&D 2nd』)の翻訳販売うまくいかず、日本におけるD&Dの展開は急速に下降線をたどる。この失敗の要因多数あるが、今までD&DユーザーAD&D上手く移行させられなかったことも大きいとも言われる新和今までD&Dファンが何も言わずともAD&D移行することを目論んでAD&D契機それまでクラシックD&D路線全て打ち切ってしまったのだが、D&Dユーザー多くは、今まで集めてきたクラシックD&Dサプリメント資産ルールノウハウ使用できないAD&Dには簡単に移行できなかったのである。そしてクラシックD&D性急な打ち切りは、それまでユーザー多くD&Dから遠ざけるきっかけになってしまった。 結局新和AD&Dのごく基本的な製品(コアルール)を翻訳した後はサプリメントも「ファイターハンドブック」「キャンペーンガイド」の二冊を出したのみで市場から完全に撤退してしまった。シナリオ集もキャンペーンセッティングも出版されなかったため、実際のプレイ必要な環境揃えきれたとは言えないものとなってしまっている。 D&D関係の展開はその後空白期迎え、それから三年後にメディアワークスによるD&D翻訳が始まることになる。 また、初期富士見書房の『ドラゴンランス戦記』や角川書店の『ロードス島戦記』など、他社絡め多彩なメディアミックス行っていたにもかかわらず後期になると他のテーブルトークRPG市場とはほとんど交流持たない形で閉じこもってしまっていたことが急激な衰退つながった部分もある。インターネットなどでユーザー自分から情報を掴むことのできない時代自社会報オフィシャルD&Dマガジン以外のゲーム雑誌紹介記事載せず、メディアミックス的な広告戦略行わないようになったD&Dは、ユーザーコミュニティ急速に閉塞化させたのである新和版の翻訳精度については、特に初期の版は誤訳多かったことで知られている。誤訳に「プルトニウム貨」がある(プラチナ金貨Platinum PiecesPlatinumPlutonium誤認)。

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