新品の注意点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:45 UTC 版)
どんな物でも注意すべき点というものはあり、新品にも注意すべき点はある。新品だからといって、問題が無いとは限らない。 たとえば、保証書がつくはずのものなのに、保証書がついていない場合がある。販売店が保証書に自店のスタンプなどを押すだけ押しておきながら、(店舗が混雑している時などでは)肝心の保証書を箱に戻すのをうっかり忘れる場合がある。 また、たとえば新品でも初期不良という場合はある。 メーカーごとに設計能力や製造能力や品質管理の能力は異なっている。たとえば次のような場合がある。 メーカーによっては、そもそも設計の段階でミスをしている場合がある。 試作品が数度動いたという程度で、いきなり製品の大量製造を開始してしまう会社も一部にある。念のため社員の間である程度の期間試しに使ってみる、ということすらせず製品を大量製造しはじめてしまう会社がある。 製造段階でミスを犯す場合もある。工場の製造ラインで新製品の製造を開始した直後は、だれもが新しい作業に慣れていなくてミスを犯しがちになる。また製造が軌道に乗った後でも、ベテラン作業者と「研修中」の作業者が混じって作業をしている日などは、「研修中」の作業者がしばしばミスを犯す。 製造した製品は(日本のメーカーでは品質重視で、少なくとも最低限、検品くらいはしていることは多いが)、世界的に見ると品質についての考え方は多様であり、生産した製品を検品すらせずにそのまま出荷しているメーカーもある。 製品ひとつひとつの動作チェックに関しては、行っているメーカーもあるが、そもそも行っていないメーカーも多い。 半年や1年など使用してはじめて明らかになる耐久性の問題もある。数百人や数千人以上など多数の一般ユーザが数ヶ月以上いろいろな使い方をした段階でようやく「特定のパターンで使うと簡単に壊れてしまう」「特定の場所に力を入れると、あっさり壊れ、使用不能になる」などということが発覚することもある。 新品は技術的な観点から特別な配慮を必要とするものもある。たとえば自動車は、長く使いたいなら、エンジンの「慣らし運転」をすべきだとしばしば言われている。つまり新品で購入してしばらくのうちは「空ぶかし」や「急加速」などは控えて、おだやかに使うべきだとされている。新品のエンジンは(加工精度にもよるが、一般論としては)シリンダー表面とピストン(の周囲のピストンリング)の形がまだピッタリ一致しておらず、歯車など部品も「かみ合い」が滑らかではなかったり、まだ酸化膜が燃焼で形成されていないなど丈夫になっていないので、急発進などエンジンに負荷がかかりすぎることは控えるべきだとされている。慣らし運転の距離の目安はgooネットによると、メルセデスベンツの説明書には「1,500km」、ポルシェの説明書の場合はもっと長めの「3,000km」と書かれている。オートバイの場合は、たとえばヤマハの場合テネレ700の取扱説明書(つまり2010年代に登場した新車種の説明書)に「初回の1カ月(または1000km走行時)の点検までは、慣らし運転をしてください。慣らし運転中はエンジン回転数を6000rpm以下で走行してください。また、不要な空ぶかしや急加速、急減速はしないでください。慣らし運転を行うと車の寿命を延ばします。」と書かれている。ただし、gooネットには、近年の日本のトヨタなど国産四輪自動車の場合は部品の加工精度が高くなったおかげで慣らし運転は特には必要ないとされることが多くなっているようだ、といったことも書かれている。なお機械というのは、新品製造時に一部のボルトの締めつけトルクが不足しているものも時々あり、そうしたボルト類は使い始めてしばらくするうちに車の振動で緩んでくることがある(なので、新品の段階では念の為、よく音を聴いたりよく観察するほうがよい、ともされている)。新車の場合は、ほとんどのメーカーが購入してから1ヵ月(もしくは走行距離1,000km時点)などを目安として「無料新車点検」サービスを提供している。こうした新車点検によって、(上で説明した)トルク不足によるボルトの緩みなども含めて、新車で起きがちな不具合が見つかれば直している。 機械類全般ではエイジングとも言い、機械の種類によっては販売店で勧められている。
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