新一とミギーの変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 08:05 UTC 版)
新一は物語の途中で母の体を乗っ取ったパラサイトに胸部を貫かれ、心臓への直撃により客観的には「即死」と形容されるようなダメージを受ける。しかし脳死に至る前にミギーが新一の体内に潜り込んで一時的に心臓と一体化し、蘇生を行いながら損傷を修復したことにより一命を取り留めた。その際、ミギーの体組織が心臓から拡散し、ミギーの細胞と新一の細胞が完全に結びつき、変質化したことによる影響(副作用)が起きている。 新一の変化 肉体面 「オリンピック選手並み」と形容されるほどの俊足や、助走なしで3メートルの壁を跳び越える跳躍力、素手で人体を貫通して心臓を抉り取り、そのまま片手で大人一人を放り投げてコンクリート壁を崩すほどの怪力、人ひとりを抱えたまま数メートル下へ飛び降りて爪先で着地しても平気な強靭な足腰、パラサイトの攻撃を見切る動体視力、300メートル先にいる人物の特徴を把握できる静止視力、遠くの会話を聞き分ける聴力など、常人離れした身体能力と五感を身につけた。脳を乗っ取ったパラサイトも常人以上の身体能力(新一程ではない)が引き出せるが、身体に負担がかかり脱臼や骨折を起こすのに比べ、新一にそれはなく身体の強度自体も上がっている様子。その能力はミギーが眠っていても独力でパラサイトに対抗できるほどだが、更にミギーが防御・新一が攻撃を行う「分業」という作戦により、並の個体では歯が立たない戦闘能力を得た。一方で、流石にパラサイトの硬化能力までは得ておらず痛覚も残っているため、打撃や斬撃に対するタフネス自体はパラサイトに後れをとる。 栄養分の吸収率や体力の回復力も向上しており、十分な食事と睡眠をとれば一晩程度の休養で見違えるほど回復する。 精神面 パラサイトのような感情鈍磨や、異常なほどの感情の切り替えの早さが生じる結果となり、感情を揺さぶられても涙を流すことができなくなった。人間の死を目の当たりにしてもすぐに平常心を取り戻すなど、精神的な動揺から即座に立ち直ることができる強みを得た反面、そうした振る舞いは新一を冷酷な人物のように見せることになり、家族や友人たちを困惑させ、ミギーにさえも「物騒」と言われ、また新一自身もそのことに苦悩するようになる。 この原因を、新一はミギーの一部が自分の心に混じった結果であると考え、気がつかないうちに脳まで乗っ取られているのではないかという不安を抱くが、ミギーは細かくなった自分の細胞自体は意思を持たないため、毛細血管まで入り込んで脳に達することはないだろうと考え、新一が生物として強くなった影響であると推測した。その一方で里美は新一が人知れず抱える苦悩が大きすぎるためにそのような精神状態になったのだと察する。劇中では、どの推測が正しかったのかという明確な結論は出されないが、新一は後に田村玲子(田宮良子)の最期に立ち会うことで精神的に救われ、再び涙を流すことができるようになった。 ミギーの変化 治療を行った際、パラサイトとしての性質に突然変異をきたし、一日のうち連続して4時間程度、不定期に同族を察知する能力さえ働かない「完全な眠り」に陥るようになった(眠る前に形質を変化させておけば、眠っている最中も維持される)。この間は、普段よりさらに発信する「信号」が弱くなり、冬眠したような状態になる。同時に新一の全身に散らばった全体の1/3にあたる寄生細胞が回収不能なため、腕の付け根まであった寄生部分が肘の上あたりまでとなった。
※この「新一とミギーの変化」の解説は、「寄生獣」の解説の一部です。
「新一とミギーの変化」を含む「寄生獣」の記事については、「寄生獣」の概要を参照ください。
- 新一とミギーの変化のページへのリンク