新ペルシア語の展開とは? わかりやすく解説

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新ペルシア語の展開

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 17:28 UTC 版)

ペルシア語」の記事における「新ペルシア語の展開」の解説

651年サーサーン朝イスラム帝国正統カリフ期)に滅ぼされてから200年ほどの間は、ペルシア語文献残っておらず、書記言語としてはアラビア語用いられていた。ペルシア語そのものは、752年ごろのアフガニスタン墓碑銘残っており、他にもいくつかの文が断片的に発見されているが、これらはいずれヘブライ文字などで書かれていた。しかし9世紀にはアラビア文字ペルシア語書くこと一般化していった考えられている。アッバース朝衰退伴って9世紀末ごろにホラーサーン興ったサーマーン朝においてペルシア語詩作用いられここからペルシア語文章語として栄えるようになり、フェルドウスィー『シャー・ナーメ』オマル・ハイヤームの『ルバイヤート』、ニザーミーの『ホスローとシーリーン』などに代表されるペルシア文学が花開いたサーマーン朝においてペルシア語行政言語として用いられるようになり、以後イランから中央アジアにおいて次々と興っていったイラン系王朝もこれを踏襲した。また歴史・哲学などの学術書もこの言語記された。 ペルシア語は、ペルシア語母語話者以外にも広くリンガ・フランカとして用いられた。10世紀以降中央アジア支配したテュルク系民族は、ペルシア語行政用語とし、ペルシア人官僚使用したガズナ朝セルジューク朝のようなテュルク系王朝イラン支配しても、その状況は変わらなかった。オスマン・トルコ語チャガタイ・トルコ語などのテュルク系言語による文語発達した後も、近代までペルシア語併存しつづけたそもそもオスマン語チャガタイ語自体が、ペルシア語の強い影響受けて成立したのだったまた、ティムール朝はじめとする中央アジア諸王朝は、ペルシア系トゥルク系問わずペルシア語公用語として使用し続けた。さらに、ガズナ朝インド侵攻以降デリー・スルターン朝ムガル帝国といった、中央アジア起源をもつインド王朝続き、これらの王朝南アジアペルシア語公用語とした。このため現代においてウルドゥー語ペルシア語からの影響が非常に強く帝国領域入ったベンガル語などにもペルシア語語彙流入したオスマン帝国においては公用語トルコ語系のオスマン・トルコ語であり、公的なペルシア語重要性はやや低下したものの、文化言語としてはいまだに広く使用される言語のままだった。こうして、10世紀から19世紀前半にかけてはイラン高原中心に西は小アジアからメソポタミア、北は中央アジアマー・ワラー・アンナフルアム川シル川流域)、東はインド亜大陸にかけて広がる広大なペルシア語圏が成立していた。 しかしこのペルシア語圏は、ムガル帝国に代わってインド支配したイギリス1835年に英語を公用語としたこと、中央アジアにおいてブハラ・ハン国コーカンド・ハン国滅ぼしたロシア帝国同じくロシア語公用語としたこと、そして民族主義勃興によってこれら地域諸民族現地言葉優先して使用する傾向強まったことから、19世紀以降大幅に縮小しペルシア系民族優勢なイラン・アフガニスタン・タジキスタンの3か国が主な現代の使用地域となったフェルドウスィーの頃のペルシア語にはアラビア語影響少なかったが、時代が下るにつれてアラビア語からの借用語増え、また文語日常語の間の差が大きくなった。これに対してペルシア語近代化運動が行われ、1903年にはペルシア語純化のための最初アカデミー会議持たれた。パフラヴィー朝建国者であるレザー・パフラヴィー1928年イラン言語アカデミー設立してペルシア語近代化努め、この過程においてアラビア語西洋言語からの何千もの借用語人工的に固有語置き換えた

※この「新ペルシア語の展開」の解説は、「ペルシア語」の解説の一部です。
「新ペルシア語の展開」を含む「ペルシア語」の記事については、「ペルシア語」の概要を参照ください。

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