新しい小型のサイテーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/28 06:47 UTC 版)
「セスナ サイテーション」の記事における「新しい小型のサイテーション」の解説
サイテーションジェット(英語版) (Model 525 CitationJet) サイテーションシリーズは年々大型高性能化されていき、また市場からも歓迎されて生産数を伸ばしていったが、ジェットエントリーモデルの要望も多く、当初のサイテーション500のコンセプトに立ち返ったモデルを再度登場させた。特徴的なのはサイテーション500よりさらに徹底した小型簡素化であり、新しい時代の技術を多く取り入れた新設計である。装備エンジンはウイリアムズ社製のFJ44、バイパス比 2.58:1、2軸(twin-spool)3段圧縮(three compression stages and three turbine stages)、これは巡航ミサイルなどに採用実績のあるウイリアム社製エンジンを基本として、ロールス・ロイス社が加わり民間航空機用エンジンとしての資質を向上させたものである。小型軽量のFJ44エンジンは部品点数が少ないことでも知られており、これは削り出しワンピース構造のファンブレードなど、最新の加工技術を駆使した成果であり、整備性や信頼性は大幅に向上している。胴体はサイテーション500と少なからずの部分を流用しつつも、ギャレー部分を省略すること、T字尾翼を採用することで胴体長を短縮、コクピット窓を小型化し空調負担を減じるなど、より小さなエンジン推力で十分な性能を出す為の工夫がされている。主翼は新設計され、大型パーツをふんだんに使用した継ぎ目の少ない平滑なクリティカル翼でこれも小型エンジンで巡航性能を出す為の抗力低減の工夫である。主翼桁は胴体下面に取り付けられフェアリングで整形されており、キャビン高は従来型のサイテーションに比べ大きくなっている。前縁の防氷装置はブリードエアを利用した防氷装置(このクラスでは珍しい本格装備)にして翼抗力の低減に留意している。アビオニクスは、基本計器は上級サイテーションシリーズと共用しウエザーレーダーも装備するが、無線機に操縦席パネルマウントのキング社製シルバークラウンシリーズを流用するなど、新しいクラスの小型ジェット機としての実質的なコストダウンも図られている。 CJ1 (Model 525 CJ1) サイテーションジェットの改良型。機体寸法はそのままに最大離陸重量を増加してフルタンク、パイロット+乗客3名の搭乗が可能になった。最新のアビオニクスに更新。2000年春に型式証明取得。 CJ1+ (Model 525 CJ1 Plus) CJ1の改良型。新しいエンジン、アビオニクス、FADECを搭載した。 CJ2 (Model 525A CJ2) CJ1の胴体延長型。主翼スパンを広げ、キャビンを1m延長、乗客6人がゆったりすわれるようになった。エンジンはウィリアムス・ロールスロイスFJ44-2C(推力1,043kg)2基。出力強化によって、13,000m以上の高々度をCJ1よりも速い740km/hの巡航が可能。11,880mまでの上昇時間は8分。単独操縦が可能。与圧装置の能力向上(高度7,189mまで標高ゼロ気圧)、最大離陸重量は増加、尾部の貨物室拡大、小型ビジネスジェットとしては最大級の2立方米以上の容積。燃料搭載量増加(1,810kg)、航続距離延長(3,110km)。1999年初飛行、2001年から引渡し CJ2+ (Model 525A CJ2 Plus) CJ2の改良型。性能を向上、アビオニクスを改善し、FADECを搭載した。 CJ3 (Model 525B CJ3) CJ2の拡張型。 CJ3+ (Model 525B CJ3 Plus) CJ3の改良型。 CJ4 (Model 525C CJ4) CJ3の拡張型。エンジンをFJ44-4に換装し出力向上。主翼はサイテーション・ソヴリンのような浅い角度の後退翼へと変更。コクピット・ウインドシールドのフレームワークを全面的に改良、これまでのブリードエアによる除氷は廃止された。 CJ4の初飛行は2008年の前半に予定され、顧客への受け渡しは2010年の予定である。機体サイズは標準胴体直線翼のアンコール+より大きく、キャビン容積や巡航性能は勝っている。エンジン出力も同等で、アンコール+を代替する事も可能な機種である。
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