新しい工程管理法の導入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 15:20 UTC 版)
「福島第一原子力発電所1号機の建設」の記事における「新しい工程管理法の導入」の解説
1号機が建設された1960年代後半は、日本にもアメリカ流の新しい工程管理が導入され始めた時代であった。東京電力は1号機着工と同時期の1967年より火力発電所の建設においてもPERTを導入し、石川島播磨重工も配管設計について、敦賀1号機や本機の建設に参加した経験から、PERTによる場合が増えつつある旨を述べている。 GEが鹿島の管理を行っていた本館建設においては基礎着工から初発電の成功までの期間は約45ヶ月、内20ヶ月が建屋コンクリートの連続打設作業に費やされ、代表的なクリティカルパスを形成している。池亀はGEの工程管理部門の調整は非常に巧妙だったと賞賛している。建築工事と機器搬入工事は交互に行われるため、密接な関係を持っており、建築上の主要工程は、そのまま発電所全体のクリティカルパスともなっており、鏑木宏は主なものとして下記を挙げている。 第一段階:基礎工事開始(1967年4月)〜ドライウェル据付開始(1968年1月) 第二段階:ドライウェル耐圧試験完了(1968年6月)〜原子炉建屋燃料操作床までのコンクリート打設(1969年1月) 第三段階:圧力容器据付(1969年4月)〜建屋構造体完了(1969年7月) これらクリティカルパスを合計すると20ヶ月となる。 石川島播磨の天野牧男等は現地状況から総合工程を逐次改訂して関係部門に徹底する必要があるため、PERTの採用は有効であり、配管工事にとってはバルブ等の購入品が多く、その日程管理は更に重要であるとしている。 この他港湾工事では原石山の採石を間組、生コン製造を前田建設が担当、港湾そのものの建設は五洋建設が実施し、トラックでの原資材搬入等、輸送関係では鹿島建設や熊谷組との調整が必要だった。五洋建設電力担当部長の石黒隆は、「この工事は特殊なもので、一般に言う分割施工ではなくて、ゴム状性の施工と言いますか、これらの工程の確保に苦労」したと述べている。
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