料理への応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/26 16:16 UTC 版)
「サフランの取引と利用」の記事における「料理への応用」の解説
サフランが料理に使われるのは、インド、アラブ、中央アジア、ヨーロッパ、モロッコなどである。(ポルトガル料理、モロッコ料理、キューバ料理、メキシコ料理などを参照。) その香りは調理師や料理評論家によって、ハチミツ、芝生、干草、金属などに例えられている。味は干草に例えられることが多いが、基本的には苦い。色は、黄かオレンジの蛍光色であり、同時に使われる食材もその色に染まる。 これらの特徴を生かすため、焼き物、チーズ、菓子類、カレー、酒、肉料理、スープなどに入れられる。インド、イラン、スペインなどでは、米料理によく使われる。 スペイン料理には、サフランの風味を付けたサフランライスが使われることが多い。例えば、香辛料を加えた米とひき肉で作られたバレンシア風パエリア、魚のシチューであるサルスエラなどの料理が有名である 。ファバダ(アストゥリアス風白いんげん豆の煮込み)にも使われる。フランス料理ではブイヤベース(マルセイユの魚のシチュー)、イタリア料理ではミラノ風リゾット、スウェーデンのパンの一種ルセカッテ(サフランバン)、それを模倣したイングランドコーンウォールのrevel bunにもサフランが使われる。 イラン人は、国民的一皿であるチェロウ・ケバブにサフランを使う。ウズベク人は結婚式に出されるプロフ(=ピラフ)にサフランを使う。モロッコ人は煮込料理タジンにサフランを使い、そのバリエーションにケフタ(kefta,トマトと肉団子)、ムクアリ(mqualli,シトロンとチキン)、ムロージア(mrouzia,プラムとアーモンドと子羊)がある。サフランはモロッコの混合香辛料チャラモーラの成分でもあり、さまざまなモロッコ料理の味付けに使われる。インド料理では米料理のビリヤーニー(Biryani)にサフランを使うこともある。例えばハイデラーバード・ビリヤーニーの一種パッキである。ミルクを使ったデザートに使われることもある。その例として、グラブ・ジャムン、クルフィ、ダブルカミータ、サフランラッシーなどがある。 サフランは高価なため、料理ではベニバナ、ウコンを混ぜるか、あるいは完全に代用させることも多い。共にサフランと似た色になるが、味は全く異なる。サフランは、特にイタリアで、菓子や酒に使われる。シャルトリューズ、イザラ、ストレガは、サフランで色と香りを付けた酒である。 サフランを調理済みの料理に加える場合には、料理に加える前に、砕いて、10分ほど水やシェリー酒に浸すとよい。すると、液にサフラン糸の色と味が抽出される。ただし粉状のサフランはそのまま使ったほうが良い。その抽出液を、暖かく調理された皿に加える。そうすれば、焼いて調理した料理や、濃いソースをかけた料理にもサフランの色と香りをつけることができる。
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