整備による主な効果
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「上野東京ライン」の記事における「整備による主な効果」の解説
京浜東北線・山手線の上野駅 - 御徒町駅間の混雑率の緩和:2002年3月プレス発表当時の予想では、首都圏で最も混雑率の高い同区間の混雑率は、230%から180%以下となるとしていた。この推測数値は計画当初のものでその後変化しており、同路線の新型車両(E233系・E231系)の導入やD-ATCなどの整備効果で、2009年度に混雑率がワースト2になり、2011年に混雑率は194%へ減少した。開通直後2015年3月における混雑率は、日刊工業新聞の伝えるところによると170%となった。混雑率が170%になったことは、2015年6月9日のJR東日本社長の記者会見でも発表され、さらに東海道線と宇都宮線・高崎線・常磐線の各線が直通運転する新線の朝ラッシュ時の乗客数は当初予想の約3万5000人を上回る約4万人となったことも発表をされた。 直通運転による所要時間の短縮:全列車で必要だった「上野駅や東京駅での乗り換え」が不要になり、かつ上野東京ライン全線において途中駅がないため通過することにより、尾久駅および三河島駅以北 - 品川駅間で11分程度の所要時間短縮が期待される。また、東京駅や上野駅などでは、乗り換え客が少なくなることから、それらの駅の混雑緩和にもつながる。 首都圏を南北に結ぶ輸送ネットワークのさらなる強化:上野駅止まりだった3線と東京駅止まりだった東海道線の直通化によって、一部の列車で乗り換えが不要により、沿線地域の相互交流促進や北関東地域の活性化が期待される。 新規利用創出あるいは他社からの転移による増収・増益:2013年3月期の決算説明会(2013年4月30日)にて東北縦貫線開業に関して「2015年3月期には東北縦貫線が完成し、上野駅での乗り換えなしに、宇都宮線、高崎線、常磐線のお客さまが東海道線に乗り入れられるようになります。10分以上の時間短縮効果に加えて混雑緩和も図れますので、新規のご利用をかなり創出できる、あるいは他社からの転移も相当見込んでいます」と説明された。開業後の収入実績は、開業直後の2015年3月期の決算説明会資料において、2016年3月期の利益予想では上野東京ライン開業にともなう通期鉄道運輸収入増予想額が定期で+10億円・定期外で+10億円としていたが、2016年3月期第2四半期の中間決算発表会における発表された半年の実績値として定期で+15億円の実績があったこと、また下期の予想も+15億円とすることが発表された。すなわち、定期収入の予想「+10億円」が「+30億円」になるとの見通しが修正された。なおこの発表では定期外の収入の実績および予想の修正に関しては言及されていない。2016年3月期の決算説明会(2016年4月28日)では「上野東京ライン開業に関わる通期の増収は定期外で+35億円であったこと」及び、「定期の増収が全体で+42億円でありその要因について『高齢者や女性の雇用者数の増、上野東京ラインの効果が出ました。』」と説明された。このことは2016年4月27日の産経新聞において、「上野東京ラインの開通も40億円近い増収につながった。」と報道された。開業1年の通期の収入増益は当所の予想である20億円増収(定期+10億円・定期外+10億円)に対しの2倍の+40億円と予想を大幅に上回る増収の達成がされた。 第12回 大都市交通センサス調査(平成27年実施)の分析結果における開業効果について :国土交通省は2018年(平成30年)3月30日、第12回 大都市交通センサス調査を基にした詳細な分析の結果を発表した。2010年の前回調査以降に開業した、JR東日本の上野東京ラインで客の流れがどう変わったかを観測。埼玉沿線地域から横浜・川崎への路線分担に関して、埼玉県から横浜・川崎へ利用する利用者の7割程度が湘南新宿ラインから上野東京ライン経由に変化していたと述べている。また、常磐線沿線の千葉県松戸市・柏市から東京都心の千代田・中央・港の3区に向かう利用者の1割強が上野東京ライン利用にシフトしていたと述べている。このことは交通新聞にて報道された。なお、常磐線から千代田線へ利用する利用客が1割程度減り減少傾向となっていた。 東京駅や上野駅において、折り返し運転の一部省力化が期待される。 北関東から、リニア中央新幹線始発予定駅の品川駅、および休止中の東海道貨物線を活用する検討中の新線(羽田空港アクセス線)を介した東京国際空港(羽田空港)へのアクセス向上が期待される。 開通前まで、品川駅でスイッチバックを行って新宿経由で運行されていた、日光への修学旅行集約臨時列車は、上野東京ライン経由に変更した。
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