整備の効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 04:41 UTC 版)
日本に高速道路が整備されたことにより、都市や拠点間の旅行時間が大幅に短縮され、交通が一般道路から高速道路へ転換されたことで従来道路の混雑が解消し、交通事故の減少をもたらしている。安定した高速走行により、自動車から排出される二酸化炭素 (CO2) の削減にもつながっている。 こうした直接効果から副次的に生まれた間接効果として、都市部では年間を通じて品質の良い生鮮野菜や水産物の安定供給を受けることが実現可能になり、産地にとっても高速道路によって大市場へ出荷することができるようになったので、地域ブランド力や付加価値アップに貢献している。 産業経済面では、大都市圏を中心とする好立地条件を背景に、物流再編を可能とした経済成長を牽引する交通インフラとして機能している。例えば、2018年に発生した大阪府北部地震では、鉄道の運転見合わせや高速道路の通行止めが相次ぐ中で、舞鶴若狭自動車道だけが通行可能だったため、中部地方以東と中国地方以西の交通や流通をつなぐ冗長性機能を発揮した。 高速道路整備における直接効果と間接効果の例直接効果間接効果経済性輸送費の削減走行費の節約 (1) 生産輸送計画の合理化効果(2) 工場進出、工業地帯の分散(3) 資源開発効果(4) 都市人口分散効果(5) 情報、流通経済の合理化(6) 市場圏の拡大(7) 需要、供給量の増加 円滑姓走行時間の節約 安全性交通事故の減少 快適性運転手の疲労度の軽減交通快適の増大 (出典:峯岸邦夫編著『トコトンやさしい道路の本』日刊工業新聞社(2018年)p. 25 の表から引用。) 視点を変えて、高速道路を社会インフラ整備の一環として広義に捉えると、ケインズの経済理論に基づく有効需要や失業対策として、公共投資による高速道路の整備過程で、生産、雇用、消費などの経済活動が短期的に活発になって拡大する効果(いわゆるフロー効果)をもたらす経済政策の一つとして位置づけられている。
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