教皇勅書と条約とは? わかりやすく解説

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教皇勅書と条約

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 00:57 UTC 版)

デマルカシオン」の記事における「教皇勅書と条約」の解説

ポルトガル1415年セウタ征服した後、アフリカ西沿岸南下して新たな土地発見するたびにローマ教皇から「征服属す地域」であることを承認する勅書 (Bulla) が与えられた。ポルトガル海外進出南下する形で行なわれたので、教皇勅書による承認緯線基準として更新されていったが、1492年スペイン南北アメリカ西インド諸島)を発見したことから、緯線基準とした南北分割ではなく経線基準にした東西分割承認が必要となった1454年1月8日ニコラウス5世アフォンソ5世与えたRomanus pontifex」、1456年3月13日カリストゥス3世エンリケ航海王子キリスト騎士団与えた勅書 (Inter caetera) 、そしてそれらを一部修正した1479年9月4日のアルカソヴァス条約分界直接起源となった。この条約カナリア諸島スペインが、その他の大西洋諸島と「カナリア諸島から下(南)へギネアに向けて」すでに発見された、またはこれから発見される土地島嶼ポルトガル確保した1481年6月21日に、ポルトガルは、アルカソヴァス条約追認先行勅書群の確認のための勅書 (Aeterni regis永遠の王) を教皇シクストゥス4世から引き出し1488年にはバルトロメウ・ディアス喜望峰回航してインド洋到達した1493年クリストファー・コロンブス航海機にスペイン海外植民地獲得本格的に乗り出し、それがきっかけとなってアルカソヴァス条約決められ境界に関する問題発生ポルトガル自国支配領域排他性持たせるため教皇勅書利用したローマ教皇アレクサンデル6世スペインに向け、5月4日付の教皇勅書インテル・カエテラ (inter caetera) およびエクジミナエ・デヴォティオニス (Eximinae devotionis) を発給。この勅書によって、アゾレス諸島ヴェルデ岬諸島の西100レグア地点を通る経線より、東側ポルトガルが、西側スペインそれぞれ征服属す地域」と定め教皇子午線定められた。同年9月にはスペイン船がその境界線に行くまでポルトガル領海域を通る航海認め大勅書公布した教皇アレクサンデル6世教皇勅書には、ポルトガルとスペイン双方とも全く注意を払わなかった。その代わり1494年トルデシリャス条約交渉した1494年6月7日スペイン国王フェルナンド2世ポルトガル国王ジョアン2世の間で交わされトルデシリャス条約によって、分割線はヴェルデ岬諸島の西370レグア位置変更された。この条約1506年1月24日付のユリウス2世大勅書承認され1508年には両国国王に十分の土地財産を持つ司教座聖堂修道院建設することなどの具体義務明確にし、その布教保護権恒久的に与え大勅書発したトルデシリャス条約決められ分界線正反対位置世界分割は、当初モルッカ諸島イベリア両国領有問題として争われた。1512年スペイン分界線地球等分割する子午線であるとする解釈表明1529年4月22日締結されサラゴサ条約によりポルトガルモルッカ諸島領有しスペイン35ドゥカート賠償金引き換えモルッカへの領有権主張放棄してフィリピン確保した(#モルッカ諸島の節参照)。 1512年ポルトガルスパイス諸島発見したことを受けてスペイン1518年教皇アレクサンデル6世世界2つ分けたという説を唱えたが、この頃までには他のヨーロッパ諸国は、教皇新世界のような広い地域主権贈与する権利があるという考え方を完全に拒否していた。スペイン国内でもフランシスコ・デ・ビトリアのような有力者インテル・カエテラ有効性否定していた。スペインローマ教皇庁教皇勅書に基づく領有権放棄しなかったが、スペイン王家は大西洋境界線めぐってローマ教皇制裁求めこともしなかった。むしろスペインポルトガル直接交渉をすることを選んだ1537年教皇勅書スブリミス・デウスによって教皇アレクサンデル6世教皇勅書インテル・カエテラ無効にされたという。

※この「教皇勅書と条約」の解説は、「デマルカシオン」の解説の一部です。
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