政治的見解・活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 22:38 UTC 版)
「ピーター・ティール」の記事における「政治的見解・活動」の解説
ティールは、右派リバタリアンとして知られている。2016年5月に、彼はアメリカ大統領候補ドナルド・トランプを支持する代議員リストに名前が登載されていることが明らかになった。 ティールは元々はトランプと対立していたテッド・クルーズ(ティー・パーティやキリスト教原理主義者が支持)候補を支持していたが、トランプの娘婿で側近のジャレッド・クシュナーと知己を得てからはトランプ支持に変わったとされる。その当時トランプ支持を公言するハイテク業界の業界の大物は他に皆無だったが、ティールは批判も恐れず支援した。その甲斐あって11月には政権移行チームのメンバーに選任された。科学技術分野の他、財務省、商務省、国防省の人事に一定の影響力を及ぼすものとマス・メディアからは見られた。 トランプ支持の動機としては、これまでの「オバマ政権の機能不全」と、イラク戦争、シリアへの攻撃など間違った戦争を支持したヒラリー・クリントンには大統領の資格がないということを挙げていた。 経済的には、同じ土俵で競争しないという良い意味での「独占」を目指すべきだと主張している。 また、分権化をもたらす「リバタリアニズム的な暗号通貨」に対して、人工知能の技術は「共産主義的な中央集権」をもたらすと評している。 シリコンバレーを「1940年代の原子物理学者よりも真実を隠している」と批判し、人工知能の技術をめぐって「中国(清華大学やTencent)と協力するグーグルは国家への反逆者」と主張したことを受け、トランプ大統領はアメリカ合衆国司法長官にグーグルへの捜査を求めた。Google傘下のDeepMindの技術が、清華大学を通じて中国人民解放軍,及び軍事研究院に流れていると危惧している。 ティールは、2011年に未来に関する自身のエッセイ「The End of Future」を執筆し、公開した。そのエッセイでは、人類の科学,技術革新は停滞しており、”技術革新の停滞”が今日における米国や欧州の景気低迷及び経済の停滞を招いていると分析している。2019年、UCLAで開催されたパネルディスカッション「インターネット生誕50年」にてティールは、「米国や西欧,日本は先進国だが、いずれの国もイノベーションが見られない。私たちは終わっている。」と発言。 ティールは、米国と西欧の金融マフィア,政治エリート,大企業取締役が集まる年次総会「ビルダーバーグ会議」の常連であり、運営委員会のメンバーである。 このビルダーバーグ会議に対してティールは、「ビルダーバーグ会議が素晴らしいのは、政治的に正反対の立場にある人たちを結束させるところである」と評した。 この会議は陰謀論の中心として話題によく挙げられ、陰謀論者の批判の的となることがある。しかしそういった論調、世界の陰謀論に対してティールは、「この会議に参加する中、私はむしろ"陰謀"や"計画"、そして"戦略"といったものが存在しないことに強い印象を受けた。 世界には陰謀説が溢れているが、古風な陰謀などはほとんど存在しない。計画を立てて遠い将来について深く考える政治指導者は、プーチン(ロシア大統領)か中国の指導部(中国共産党中央政治局常務委員会)くらいのものだろう。絶望的なのは、実際には我々に何の計画もないということだ」と言及した。 また、西側諸国全体が結束できておらず、漂流,分断が進んでいると分析している。加えて、米国や欧州政府のシステムの動脈硬化があまりに進んでおり、既存の法制度が技術の進歩を阻害しているという見解を示した。 2021年11月、COSM2021での公演で「汎用人工知能への道のりは思ったより遠く、ラリーやイーロンのような億万長者は興味を失っている」とした上で、「人々はAGIよりも監視用AIについて心配すべきである」と言及した。
※この「政治的見解・活動」の解説は、「ピーター・ティール」の解説の一部です。
「政治的見解・活動」を含む「ピーター・ティール」の記事については、「ピーター・ティール」の概要を参照ください。
- 政治的見解活動のページへのリンク