後半生のキャリアとは? わかりやすく解説

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後半生のキャリア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:51 UTC 版)

ニコラス・ヒリアード」の記事における「後半生のキャリア」の解説

ヒリアードはフランスからの帰国後、1579年ロンドンチープサイド (en:Cheapside) 郊外にあるガター・レーンに居住し制作行った1613年息子弟子でもあったローレンス家業継ぎ数十年間わたってガター・レーンで仕事をすることとなる。その後ヒリアードはより宮廷に近いセント・マーティンズ教会教区移り住んだが、詳細な住所分かっていない。そこで工房開き、ヒリアードのミニアチュール求め顧客宮廷人から紳士階級まで広まり、さらに富裕な商人層をも取り込んだ。 父であるヒリアードの「貧弱な模倣」しか成しえなかった息子ローレンス以外に、ヒリアードの弟子からはさらに重要な人物輩出している。ミニアチュール作家アイザック・オリヴァー (en:Isaac Oliver) や画家金銀細工師ローランド・ロッキー (en:Rowland Lockey) などである。また、ヒリアードは彼らのような職業的芸術家だけでなく市井の人々にも絵を教えており、そういった無名女性から1595年にヒリアードに宛てた書簡残っている。 ヒリアードは金銀細工師としての活動継続しており、豪華な飾り箱や宝石飾られ首飾りなどを制作している。有名なものとして、エリザベス1世よりも芸術理解示したジェームズ1世から廷臣だったトーマス・ライト1610年下賜された「ライト・ジュエル (Lyte Jewel)」がある。他にもエリザベス1世からそれぞれ下賜された、トーマス・ヘニッジ卿 (en:Thomas Heneage) の「アルマダ・ジュエル(Armada Jewel)」や、フランシス・ドレイク卿の「ドレイク・ペンダント (Drake Pendant)」がよく知られている。生涯独身で「処女王」と呼ばれた女王への信仰ともいえるような忠誠心顕れとして、廷臣たちには少なくとも宮廷においては女王肖像画身につけることが奨励されるようなことさえあった。エリザベス1世ミニアチュールコレクション持っており、それは女王寝室キャビネット施錠され保管されていた。紙につつまれ一つ一つラベルが貼られており、レスター伯描いたミニアチュールには「わが主人 (My Lord's picture)」と書かれたラベル貼ってあった。 宮廷ミニアチュール作家として職分には、ミニアチュール本来の意味である文書への絵画装飾含まれており、ヒリアードは重要な書類への装飾命じられることもあった。1584年ケンブリッジ大学エマニュエル・コレッジの創立認可証(1584年)には、フランドルルネサンス風の精緻な装飾施されている。他にも書物表紙装飾使われる木版画デザインも手がけており、中にはヒリアードのイニシャル残されているものも存在する。 ヒリアードはエリザベス1世同様、ジェームズ1世にも高く評価され重用された。1617年5月5日には、その後12年間に及ぶエングレービングによる王族肖像独占作成与えられている。それまでヒリアードもエングレービング作品制作することはあったが、王族エングレービング作品はは帰化人のレノルド・エルストラックが担当することが通例だった。このようなジェームズ1世からの厚遇はヒリアードの作品権威与えるものとなった。第5代ラットランド伯爵ロジャーデンマーク大使の任を勤めあげたときに16人の同僚はヒリアードが作成した王の肖像画つきの金鎖を、その他のものも王の肖像画授与されている。ヒリアードを高く評価した同時代人詩人ジョン・ダンあげられるダン1597年書簡詩『嵐 (The Storm)』で、ヒリアードの作品賞賛している。 ヒリアードは1619年1月3日ごろに死去し1月7日ウェストミンスターのセント・マーティンズ教会埋葬された。遺言には20シリング教区貧し人々に、30シリング二人の妹に、遺品数点を使用人に、そして残り遺産全て唯一の遺言執行人である息子のローレンス・ヒリアードに与えと書かれていた。 現存するヒリアードの作品はほとんどがイングランド所蔵されている。所蔵数はロンドンヴィクトリア&アルバート博物館 (V&A) が群を抜いているが、ナショナル・ポートレート・ギャラリーにも何点か所蔵されている。ミニアチュール保存状態は非常に良好で、絵の具退色酸化による銀細工部分黒ずみ見られるものの、修復の必要は認められていない

※この「後半生のキャリア」の解説は、「ニコラス・ヒリアード」の解説の一部です。
「後半生のキャリア」を含む「ニコラス・ヒリアード」の記事については、「ニコラス・ヒリアード」の概要を参照ください。

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