後半身を欠けたウミサソリ(2005年以降)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 07:35 UTC 版)
「メガラシネ」の記事における「後半身を欠けたウミサソリ(2005年以降)」の解説
2つ目のメガラクネの化石は後にホロタイプと同じ発見地で見つかり、この新たな化石はホロタイプにある "鋏角" と "腹部" を欠けているが、代わりに背甲の両縁と脚の基部が保存される。2005年、イギリスの古生物学者兼クモ学者である José A. Corronca と、アルゼンチンのクモ学者である Mario A Hünicken と José A Corronca からなる研究チームは、メガラクネの化石をウミサソリである Woodwardopterus や Cyrtoctenus と比較し、再検討していた。結果としてメガラクネの化石はクモの特徴を欠き、外骨格の表面構造はウミサソリ的で、各部位の形態も前述のウミサソリの背甲・眼・背板・脚によく吻合しており、本属はそれらに近縁のウミサソリであると判明した。すなわち、メガラクネの2つの化石とも後体(ウミサソリの縦長い後半部)の大半を欠損したウミサソリであり、ホロタイプでクモ的と解釈された部分の本質は、次の通りに解明された。 "鋏角" → 背甲の前半部 "両鋏角の境目" → 背甲前半中央の隆起線 "背甲" → 背甲の後半部と後体1枚目の背板 "背甲後方の溝" → 背甲と後体の境目 "集約した数対の単眼" → 各1対の単眼と複眼 "後体" → 後体2枚目の背板 また、Hünicken 1980 でX線マイクロトモグラフィによって発見されるホロタイプの裏側の痕跡は、該当化石の由来でなく、単にその下の石のひび割れであることも指摘される。
※この「後半身を欠けたウミサソリ(2005年以降)」の解説は、「メガラシネ」の解説の一部です。
「後半身を欠けたウミサソリ(2005年以降)」を含む「メガラシネ」の記事については、「メガラシネ」の概要を参照ください。
- 後半身を欠けたウミサソリのページへのリンク