建築論とは? わかりやすく解説

建築論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 04:35 UTC 版)

ルネサンス建築」の記事における「建築論」の解説

ルネサンス建築大きな影響与えたウィトルウィウスの『建築についてDe architectura libri decem)』は、1415年にポッジョによって再発見されたといわれるが、14世紀にはボッカチオ引用するなど、実際にはこの当時よく知られ古典論文のひとつであった。 この建築論は、1432年頃にアルベルティによって詳細に研究され、彼自身の『建築論(De re aedificatoria)』によって再構築された。オーダーに関する理論は、アルベルティによって意味を与えられたが、彼はウィトルウィウス同じくオーダー建築必須の規則とは見なさず、あくまでも客観的な立場解説したにすぎなかった。アルベルティ注目したのは、人体比例建築比例同一とみなす理論であり、あらゆる比例尺度根本人間形態であるという思想は、宇宙全ての調和にも通じルネサンス比例システムとなったアルベルティ著作ルネサンス最初建築書であり、初は写本であったが、1485年には当時発明され活版印刷技術によって広く読まれた。フランチェスコ・マルティーニの『市民建築および軍事建築に関する理論書(Trattato di Archiettura civile e militare)』(1482年頃)は、アルベルティ論文かなりの部分負っている。 アントニオ・フィラレーテは、ミラノルネサンス様式導入試みた最初の人物であり、『建築論(Trattato di Archietttura)』において野蛮な現代風の流儀ゴシック建築のこと)の放棄訴えた彼の論文述べられる理想都市スフォルズィンダは、様々な建築対称配置した有心的な都市計画提唱したヨーロッパ最初の例であるが、実際に設計したオスペダーレ・マジョーレにも見られる集中形式に対す関心は、ミラノのサン・サチーロ墳墓祭堂875年 )やミケロッツォ1425年ピストイアにおいて設計したサンタ・マリア・デル・グラツィエ聖堂刺激されたものであろう15世紀、16世紀建築思想きわめて重要な影響与えたのは、セバスティアーノ・セルリオ1537年から1551年の間に刊行した建築書(L’Architettura)』である。彼は、古典建築理論全面的に図式化したため古典的教養持たない職人貴族らに広く受け入れられた。オーダー5つコード化し、これをラテン語の文法におけるところの四つ活用であると述べるセルリオの語り口は非常に効果的で、建築の手本としてヨーロッパ中で読まれた。ジャコモ・パロッツィ・ダ・ヴィニョーラは、オーダーをさらに洗練し、かつ学問的なものとした。はじめてオーダーの名称を用いたのも彼である。『建築5つオーダー(Regola delli Cinque Ordini d’Architettura)』(1562年)は、精密な銅版画とその注釈、および序文によって構成されるが、様々な建築的課題対処できる建築原理体系確立しようとする彼の努力現れている。 『建築四書Quattro Libri dell’ Architettura)』(1570年出版)は、アンドレア・パラーディオによるオーダー住宅建築公共建築神殿図解記録であり、古典主義建築としての声明とも言えるパラーディオウィトルウィウスに関する知識当時一級のものであり、彼は考古学的側面でだけではなく、独自の解釈をも見いだしている。パラーディオ比例理論音階に基づく複雑な調和によって成り立っており、それは一室独立したものではなく一連の続き部屋にまで適用されている。ウィトルウィウスローマ遺跡、そしてブラマンテ建築詳細に研究したこの著作は、イタリアのみならずヨーロッパ全土影響与え、特にイギリスにおいて、特に重要な衝撃与えることになったパラーディオ主義建築)。これらルネサンス建築論の集大成1615年完成したヴィンチェンツォ・スカモッツィの『普遍的建築理念(L’idea dell’ architettura universale)』である。これは古代から中世ルネサンスに至る建築言及したアカデミックな理論書であり、またアルベルティにはじまるオーダー理論集大成として、特にイギリス影響与えた

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