度重なる売却交渉の失敗と球団解散
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 07:38 UTC 版)
「現代ユニコーンズ」の記事における「度重なる売却交渉の失敗と球団解散」の解説
2007年1月16日、「ハイニックス半導体の経営不振のため農協中央会への球団売却を進めている」とマスコミで報じられた。しかし、1月19日、農協側は農民・労働組合・世論等の反発を理由に買収を中止することを発表した。今後現代ユニコーンズが存続するためには、現代グループ全体の支援を受ける必要があったものの、3月に現代グループ他社は今後現代ユニコーンズに資金の提供をしないことを決定した。 なお、韓国野球委員会(KBO)は、2007年シーズンを8球団で行うことを原則として公式戦などの日程を立て、示範競技とレギュラーシーズンでは現代ユニコーンズとして前年までと同様に試合を行い、6位でシーズンを終えた。選手の給与などの運営資金は、韓国野球委員会が金融機関より資金を融資した。なお、9月にはSTXグループが球団買収を交渉していると報じられたが、STXグループの不祥事や他のプロスポーツ事業へ資金を提供しなくてはならないなど、さまざまな問題が重なり交渉は成立しなかった。 KBOは12月27日に特別会見を開き、経営難で解散の危機にあった現代ユニコーンズの代わりに、KTがソウルを本拠地とする新球団を創設し、2008年からプロ野球に参入することで合意したと発表したが、2008年1月11日にKTは新球団設立を白紙撤回した。当初提示された条件と話が食い違ってきているなどKBO側に対する不信感や、今回の球団設立に当たってさまざまな憶測が飛び交い企業イメージが損なわれたことなどを、KTはその理由として挙げた。これで現代ユニコーンズが解散してしまうと、韓国プロ野球は1990年以来の7球団制に逆戻りするのでは、とも騒がれた。 結局1月30日韓国の投資会社センテニアルインベストメントが、広告主としてスポンサーを募集して新球団を運営することとなり、プロ野球が7球団制に縮小されることは免れた。2008年1月初めから現代の選手、コーチたちはシーズン開幕に向けて準備を進めていたが、2月になり新球団がKBOへの加入金を払う前に新監督やコーチなどを決めたことや、選手やフロント職員全員の雇用を保証しなかったことに強く反発した。その後和解が成立し、現代の選手は全員新球団で雇用されることとなった。その後メインスポンサーも決定し、球団名は「ウリ・ヒーローズ」に決定したが翌2009年はスポンサーなしとなり、2010年からはタイヤ会社のネクセンタイヤと2年間のスポンサー契約を結び「ネクセン・ヒーローズ」となった。 選手構成の面では現代ユニコーンズ所属の選手をそのまま受け継いだため、チームカラーに大きな変化はないものの、新球団は、経営者のセンテニアル・インベストメント社が現代側が支払うべき負債と、球団買収になると支払う必要が生じる売却代金を省くため、いったん球団を解散させて選手を無籍にさせてからその選手の保有権をもらう形で球団を創設した。このため、現代ユニコーンズは1996年の球団買収以来、4度の韓国シリーズ優勝という輝かしい経歴を持ちながら、三美スーパースターズから始まった26年の歴史に幕を閉じた。なお、スーパースターズ時代から重ねてきた各種球団通算記録もユニコーンズの解散とともに途切れることになった。 スコット・クールボー(1998年)、コーリー・ポール(2002年)、マイカ・フランクリン(2002年-2003年)、シェーン・バワーズ(2003年)、マイク・フィアリー(2004年)など外国人選手の中で日本プロ野球経験者も多かった。
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