帽子男
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 10:03 UTC 版)
上野を代表する作品であり、キャラクターでもある。『帽子男は眠れない』(1992年)は、上野にとって初めての単行本となった。 連載・単行本 週刊モーニング等に掲載され、『帽子男は眠れない』、『帽子男の子守唄』(共に講談社)に収録。 後に『帽子男』に再録の際、「コミックビーム」(エンターブレイン)に掲載された新作3本を追加。 特徴など トレンチコートと帽子が特徴だが、本名・経歴等、ほぼ全てが謎の男、通称「帽子男」。逃亡中であることは確かだが、追っ手の正体・目的も不明。謎の存在である彼が、時に下らない事件を巻き起こし、あるいは巻き込まれる(例、「同窓会の帽子男」)。 追っ手も氏名は知らないらしく、彼を発見した際は「帽子男!?」と叫んでいた。 銃を所持し、時に1対1で決闘して相手を仕留めるなど、一般人とはかけ離れた環境にあるが、陰惨な性格ではない。むしろ想像力が豊か過ぎ、妄想が暴走することもあり、それだけで成り立っている話も存在する(「帽子男のミッドナイトクルージング」、他)。 第1回「帽子男は眠れない」では「屋台を訪れた客」というだけの設定で、帽子を被っている以外、特に目立たない存在であった(コートも着ていない)。第2回「ジェットコースターの帽子男」から「逃亡者」という設定が盛り込まれ、パートナーの女性(セミレギュラー)が登場するようになる。 追っ手は黒のサングラスに黒の背広を着た男性が複数。この他に決闘相手が3回登場している(うち2回は死亡)。 上野は後に、「デビュー作(「煙草撲滅委員会」)に、既に帽子男が登場していた」と語っているが、外見が類似しているのみで、設定等の共通点は明確に語られていない。 なお、「帽子男のキャラクターは、泉昌之の影響を受けている、泉にその件で謝罪している」という説があるが、これは事実とは異なる。実際は「帽子男」の短編の3作を執筆後に泉昌之を知る。また、泉昌之作品のキャラクターはアラン・ドロンがモデルであるのに対し、「帽子男」はハンフリー・ボガートがモデルであるという差があるという。 同時代に同系列のキャラが存在した為このような説が生まれたと思われる[要出典]。 単行本は3冊あるが、3冊目の『帽子男』は、既刊2冊(絶版)から帽子男シリーズのみを再録し、新作3本を追加したものである。ただし、カラーページや一部のイラスト・カットは再録されていない。また、『~眠れない』に収録されていた「2・14」は、帽子男が登場するものの、シリーズ作品ではない(バレタイン・デーの漫画)ため、『五万節』に再録されている。以下、帽子男シリーズのみ記載し、3冊目に関しては新作のみとする。 帽子男は眠れない 帽子男は眠れない ジェットコースターの帽子男 お子様ランチの帽子男 映画館の帽子男 同窓会の帽子男 帽子男の休日 クロスワードの帽子男 帽子男と哀愁のエレベーターガール 帽子男のミッドナイトクルージング 波止場の帽子男 本屋の帽子男 たこ焼きの果てに帽子男 静かなる決闘(3冊目では「帽子男・静かなる決闘」) 車中の対決(3冊目では「帽子男・車中の対決」) 取調室の帽子男 帽子男の目薬 合い席の帽子男 観光地の帽子男 アイスコーヒーの帽子男 帽子男・謎の幼稚園 以上の初出誌は、同書227頁の奥付と『五万節』288-289頁によると、1988年パーティ増刊20号、open増刊C号(正確には「C」が正方形で囲まれている)、1989年モーニング12、、44号、ルーキーリーグ1号(正確には1が丸で囲まれている)、1990年のモーニング2・3、6、12、36~39、42~43号、パーティ増刊31号、1992年、20・21~24、44~46号、となっている。 帽子男の子守唄 帽子男の1秒間 帽子男のヴァーチャルウォーズ 帽子男のカーチェイス 父兄参観の帽子男 ピンポンの帽子男 横断歩道の帽子男 断崖の帽子男 帽子男・落ち葉の決闘 帽子男の子守唄(3冊目では「帽子男の子守歌」) 歯痛の帽子男 待合室の帽子男 以上の初出誌は、同書212頁の奥付と『五万節』288-289頁によると、モーニング1993年9号、1994年10、11、20、25、29、47、48、52号、1995年8、14、23号、、及び描き下ろし作品。 帽子男 許可局の帽子男 回想の帽子男 昨夜の足取り 帽子男 新作3本の初出誌は、「コミックビーム」2009年5月号~7月号(同書288頁による)。また、「断崖の帽子男」でのサブリミナル風の広告は、『~子守唄』では『~眠れない』だったが、本書ではエンターブレインの単行本(『夜は千の眼を持つ』、『わたしたちの好きなもの』、『星降る夜は千の眼を持つ』、『五万節』、『帽子男』)に変更されている。
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