左官とは? わかりやすく解説

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左官(漆喰塗)

主名称: 左官(漆喰塗
ふりがな さかん(しっくいぬり)
認定区分 個人
種別 建造物
選定年月日 1998.06.08(平成10.06.08)
解除年月日
解説文:  左官は土壁漆喰壁を塗る技術で、土壁下地の上荒壁塗、中塗塗り重ね上塗によって壁表面仕上げる。漆喰壁は上塗代表的な例である。左官技術は壁の表面美しく仕上げることと、いかに耐久性のある壁を造るかが技術上の最重要課題であり、日本の伝統的な建築意匠上の重要な要素ともなっていて、わが国文化財建造物修理に欠くことができない中世以前は泥工【でいこう】、壁塗り、壁大工等の呼称呼ばれていたが、近世初頭ころからしだいに左官の名称が使われるようになった。とくに江戸から明治時代にかけて、漆喰塗技術最盛期迎える。亀裂剥落生じない耐久性のある漆喰壁を造るには、土、石灰、すさ、のり等の材料吟味調合方法塗ったときの水引加減などが関係し、これらの見極めには豊富な経験が必要である。近年プラスター塗りなどの安価簡単な施工方法一般化し伝統的な漆喰塗技術失われつつあり、早急に保護を図る必要がある

左官(古式京壁)

主名称: 左官(古式京壁
ふりがな さかん(こしききょうかべ)
認定区分 個人
種別 建造物
選定年月日 2001.07.12(平成13.07.12)
解除年月日
解説文:  左官は建造物修理にとって欠くことのできない技術であり、書院建築茶室用いられる京壁と、城郭土蔵使われる漆喰壁【しつくいかべ】などがある。京壁は、古来より色土を豊富に産する畿内中心に発展し様々な建造物使用されてきた。その仕上げには地域ごとに固有の色土などを用い色合い施工方法多様であることから、様々な技法発達し建造物内外観特徴づける重要な要素となっている。また、意匠上のみでなく構造的に重要な部位であり、文化財修理においては美しくかつ強い壁の製作が常に求められる。そのためには下地となる竹や藁縄わらなわ】、土壁構成する土、〓【すき】などといった材料吟味施工時においては壁の水引き加減の見極め、鏝【こて】使いなど多彩な技法に応じた技量が必要で、それには豊かな経験基づいた高度な習熟不可欠である。
 また近年一般建設業界で湿式工法需要減少しているために、伝統的な京壁の左官技術体得し技能者が激減する傾向にあり、早急に技術保存後継者の育成を図る必要がある
 なお、近年新築工事多用されつつある薄付け仕上塗材【しあげぬり】材を用いた工法も京壁と呼ばれているので、選定名称については左官(古式京壁)とし、伝統的な工法であることを示す。

左官(日本壁)

主名称: 左官(日本壁
ふりがな さかん(にほんかべ
認定区分 団体
種別 建造物
選定年月日 2002.07.08(平成14.07.08)
解除年月日
解説文:  左官の職名近世初期には見られそれ以前には「泥工【でいこう】」「壁塗り」とも称された。わが国伝統的左官技術には、表面を土で仕上げ古式京壁きょうかべ】と、漆喰しっくい仕上げとする漆喰壁があり、日本壁総称される
 良質日本壁製作するためには、各種素材吟味から施工まで高度な熟練が必要であり、文化財建造物修理においては製作された壁の強度美観修理工事良否大きく影響する。しかし、日本壁製作のような湿式工法には十分な工期熟練が必要であるため、近年一般建築においては乾式工法主流となっている。また湿式工法についても、モルタル下地のうえに合成樹脂資材仕上げ工法などが一般化していることから、良質な日本壁を製作できる技術者激減している。
選定保存技術(団体)のほかの用語一覧
工芸技術:  玉鋼製造  苧麻糸手績み  阿波藍製造
建造物:  左官  建造物修理  建造物彩色  建造物装飾




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