定番商品として定着
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 06:37 UTC 版)
「サントリー角瓶」の記事における「定番商品として定着」の解説
発売当時の名称は「サントリーウヰスキー12年」だったが、原酒の一部に12年物を使っていただけであり、スコッチなどの規準に比してもやや誇大気味の名称であることから、長くは使われていない。 一方、その特徴ある角型の瓶の形から、愛飲者の間でいつしか「角瓶」・「角」の愛称が定着し、1950年代に正式に「サントリー角瓶」と改称された。ただし1990年代まで、ボトルに「角瓶」の名称は付いておらず、単に「サントリーウイスキー」を称していただけであった。 原酒使用率が高いため、当時の日本の税制では特級ウイスキーの区分に含まれたが、高級酒扱いの「オールド」に比べ、やや求めやすい価格であったこともあって固定ファンを獲得し、定番商品として根強い支持を得ることになった。この間にも、蒸溜所の整備やサントリー自社によるグレーンウイスキー生産の開始などによって、品質やブレンディングの改良が継続された。 1989年(平成元年)4月のウイスキーの等級廃止と税制改正に伴う日本でのウイスキー価格の大幅低下に伴い、1990年代以降は大衆酒と言って良い程度に価格が低下し、国産大衆ウイスキーの市場で広く普及している。それでも発売当時より現在まで続く瓶の形と、ブレンドに若干の変化はあったものの適度な香りを持った味は今日まで継続されて一般にも親しまれており、ジャパニーズウイスキーの代表的存在となっている。 価格低下に伴う普及に合わせ、本来の「角瓶」である「黄角」以外の姉妹商品も展開されるようになった。1992年(平成4年)には、ホッグスヘッド樽で熟成された白州蒸溜所産のモルト原酒をキーモルトとしてブレンドし、尚且つ辛口でスッキリとした味わい(発売当初)を持つ「白角」(2019年3月を以って休売)、1999年(平成11年)には、芳醇でマイルドな「味わい角瓶」、さらに2007年(平成19年)には「味わい角瓶」に代わり、アルコール43度でパンチョン樽で熟成された山崎蒸溜所産のモルト原酒をキーモルトとしてブレンドされ、近年の「オールド」に似た風味も感じるリッチな飲みごたえの「角瓶<黒43°>」が投入され(2016年4月を以って終売)、更に2013年(平成25年)には「角瓶」の上級品としてスクエアボトルに青ラベルの「新プレミアム<43°>」が投入された(先述の黒角同様、2016年4月を以って終売)。2019年(平成31年/令和元年)現在も共通の亀甲ボトルを用いたこのラインナップで販売が続いているほか、業務用・ヘビーユーザー向けの大型ボトル(ガラス瓶・ペットボトル)も用意されている。 その一方でサントリーでは、低迷傾向にあった日本のウイスキー市場での販売増を目指し、2008年からは「角瓶」をソーダで割って飲むハイボールの普及・宣伝活動を開始・注力しており、この結果、全国的な「角ハイボール」ブームが起こり、2008年・2009年と2年連続で同社のウイスキー出荷量が前年を上回るという成果をあげている。そのブームは2010年6月以降には原酒不足の懸念から出荷量を調整する必要が生じたほどである(駆け込み需要)。
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