大雪丸難航とは? わかりやすく解説

大雪丸難航

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 08:15 UTC 版)

大雪丸 (初代)」の記事における「大雪丸難航」の解説

洞爺丸台風当日1954年昭和29年9月26日10時00分、大雪丸は5便として、青森第2岸壁出航14時40分、函館港外に到着したが、着岸予定函館第2岸壁では、穴澗岬沖から引き返した1202便 第十一青函丸着岸作業中で、第1岸壁では、4便として出航準備中の洞爺丸停泊しており、岸壁空きがなく、防波堤外で錨泊待機した16時02分の第十一青函丸沖出し後、16時55分、2時間25分遅れで函館第2岸壁着岸し旅客車両降した。このとき、先船の4便 洞爺丸は“天候険悪出航見合わせ”中で、その後船となる大雪丸出航未定となったこのため防波堤外で岸壁空き待っていた後船の1201便 石狩丸(初代)着岸のため、17時25分いったん離岸し、17時40分、次便での着岸便利な函館桟橋近く防波堤内に錨泊した。この時の風は南5~6mであった。 しかし防波堤内は避難船で輻輳し、すぐ前方には無動力のイタリア船籍修繕アーネスト号(7,341総トン)が停泊しており、その後急速に強まった風で、1845分頃からアーネスト号の錨ごと流される走錨始まり大雪丸自身走錨もあり、防波堤外への脱出決定した1916抜錨開始したが、抜錨中さらに圧流され有川桟橋沖に錨泊中の日高丸接近してしまい、全速前進で右転したところ、強い南西風に切れ上がって曲がり切れず船首錨泊中の第六青函丸左舷中央部向いてしまった。急ぎ後進転したが1920分、大雪丸右舷錨が第六青函丸左舷中央部ハンドレール接触した。しかし、この後進で船首を右に向けることができ、全速前進第六青函丸船尾側をかわし、港口進み1931分、55mを超える暴風雨防波堤灯台消灯し視界利かないまま、レーダー頼って防波堤外へ脱出することができた。 1940分、防波堤外で錨泊中の洞爺丸南方、西防波堤灯台246度0.9海里地点左舷投錨して錨泊した。しかし、船首がうまく風上を向かず、風浪右舷から受け、激し横揺れ続き車両甲板打ち込む海水ボイラー室前方まで達し走錨激しく、この危機をから脱するため直ち抜錨開始した。しかし10分間一気に1,800m流され1950分には、北防波堤基礎工事ケーソンに370mまで接近してしまったが、抜錨中の錨の効果風に切り上がる効果前進力得られ1958分には錨を垂らしたまま前進全速とし、危機脱したこの頃から機械室では海水夕立のように降り注ぐようになった前進し始めて程ない2007分、主機械停止してしまい、このままでは西防波堤衝突するところ、1分ほどで復旧できた。抜錨完了後、20時30分には、当時 洞爺丸南西錨泊であった北見丸方向船首向いてしまうこともあったが、その後針路南西にとり、「南西の風は涌元行け」との経験則従い南西風避難適した涌元目指した。2110分には、葛登支岬灯台に並航し風速40m、この時のプロペラ回転数毎分150回転、しかし対地速力わずか2ノット弱で、通常150回転では、12ノット程度は出る回転数であったが、猛烈な向かい風でほとんど前進できず、その場留まる踟蹰航法ちちゅうこうほうとなっていた。このため、これより前の2104分、「21時00分現在葛登支岬灯台より40度2.8海里地点踟蹰中」と函館桟橋宛て打電していた。 2140分には、車両甲板船尾両舷の係船索巻き込むキャプスタン回転軸と、流体接手調整ハンドル車両甲板貫通部から操舵機室への浸水があり、操舵不能となって以後両舷機を種々使用して針路維持努めた。さらに2200分には、機関室排気口フタ間隙からの浸水で、潤滑油ポンプ1台が故障し残り1台も断線し主機械停止してしまったが約5分で復旧できた。2235分、風速は30m程度おさまり風向西南西変わり日付変わった9月27日 0時10分、涌元北方木古内知内沖に達し投錨した沈没免れた航行不能となっていた。

※この「大雪丸難航」の解説は、「大雪丸 (初代)」の解説の一部です。
「大雪丸難航」を含む「大雪丸 (初代)」の記事については、「大雪丸 (初代)」の概要を参照ください。

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