基本仕様・規格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 05:38 UTC 版)
直線線路の基本の長さは140mm。駅などでの有効長の計算を簡単にするため、20m車両約1両分 (20000mm÷150≒133mm) に近い値として設定されている。これに基づき2倍の長さの280mmや半分の70mmを加えて構成されている。 複線間隔は37mm(道床の幅の2倍)。これに基づき、曲線線路の半径や信号機の機械の幅などが決められている。線路間隔が他社規格と比較しやや広くリアリティに欠けるものの、脱線した場合に対向列車との衝突が避けられる。また新幹線等の偏移量が大きい車両も干渉せずに離合できる。島式ホームの幅は55.5mm(複線間隔の1.5倍)。 曲線の基本半径は280mm。これに複線間隔37mmを前後させた半径243mm、317mm、354mm、391mmなど、45度(8本で円になる)および15度が設定されている。 特徴として、ポイントなどを除くほとんどの線路の道床部分にフィーダー差込口がついている点が挙げられる。道床つきレールシステムの多くがフィーダーを取り付けるための専用線路を必要とする中、余分な線路を組み込むことなく給電できる数少ないシステムである。フィーダーの外観は線路際の継電器箱を模したものとなっている。 線路同士の接続は、片側のレール先端につけられた金属製のジョイナーと道床の片側に設けられた突起(ジョイント)をもう一つのレールの同部分と組み合わせる事により行う。 他社に比べて両渡り付交差や三枝分岐などの複雑な構造の分岐器を多く発売している。 旧道床線路(生産終了) 最初期のレールは耐久性を考慮し、さびないステンレスを用いていたが、電気抵抗が大きく電圧降下しやすいことと、素材の剛性が高く曲線レールの曲げ戻りクレームの発生となった。レール断面はいわゆるレール形状ではなく、T型をひっくり返した形状になっていた。道床は薄茶色のプラスチック成型色で、枕木をこげ茶に塗装していた。ジョイント部は道床プラスチックと一体の丸先ガイドが突出している。 1980年頃、ジョイント部のプラスチックガイド先端は先が細くなった(在来品との互換性は保たれた)。 1985年頃、上記のステンレスの不具合を克服するため、洋白製のレールに変更された。 1984年発売の東京ディズニーランド・ウエスタンリバーレールロードセット(縮尺1/80・9mmゲージ)用の9mmナロー線路(直線200mm、曲線半径200mm・45度)は、車輌・パワーユニットを含めたセット販売(直線線路6本・曲線線路8本)のみとされ、単品販売はされていない。これは枕木間隔や道床幅をNゲージ用レールより大きくしたもので、同社製Nゲージ用レールとの混在も可能だった。 1998年に「きかんしゃトーマス」セット向けとして、同型異色の灰色成型・黒色枕木の道床付きレールが投入され、その後カタログに載り一般化した。両者はファイントラックへの移行まで並行販売していた。 ファイントラック 2002年に、トミックス線路製品のジョイナーの耐久性が低かった点を改善し、ファイントラック (Fine Track)と名付けて発売した。 道床は3色のグレーで印刷表現され、こげ茶色に塗装された枕木と相まって実感的となった。 レールの接合部は接続が確実なクリック付きジョイナーに改良され、金具の型、固定方法も一新された。 基本長・曲線半径・フィーダーなどの規格については旧製品からの変更はないため混用も可能だが、例外として最初期製品(道床のジョイント先端が丸い)との接続はできない。 近年はさらに種類を増やし、PC枕木・スラブ軌道・複線線路も発売している。PC枕木製品は、フィーダー用のスリットが1本増え、3本になっている。 スラブ軌道の線路はバラストの線路と比較し種類は少ないが、半径500mmを越える緩曲線が設定された(後に一般用線路も発売された)。複線用のほか単線用もある。従来のフィーダーは枕木の間に差し込むことで目立たないようになっていたが、スラブ軌道の線路は枕木がなく目立つため、専用のフィーダーが用意されている。また、線路にカントが付いたワイドPCレールシリーズをカトーに続く2009年10月に発売した。 複線線路は単線用と比較して種類が少ない。直線は140mmや280mmに加え1120mm(280mmの4倍)、曲線は280mmと317mm、354mmと391mm、428mmと465mmの3種類がある。構造としては側壁が取り付けられているほか、枕木はPC枕木を再現しており、近年に新設された路線の再現などに向く。フィーダーの取り付け、ホームの設置には、側壁をカットするなどの加工が必要で、これを回避するためには単線線路もあわせて使用する。単線用と直接接続可能なほか、そのまま高架橋としても使用できる。 ポイント類については品質を大幅に改善した(下記)。 ミニカーブレール・スーパーミニカーブレール 鉄道コレクションやBトレインショーティーなどの小形モデル・デフォルメモデルが多数発売されるようになった。 これらの車両を手軽に楽しむため、基本半径を通常の半分の140mm・複線間隔の37mmを足した177mmのミニカーブレールシリーズと、140mmから37mmを引いた半径103mmのスーパーミニカーブレールを発売した。このスーパーミニカーブレールはB4版のスペースの中にエンドレスレイアウトを作る事ができる。後述のミニ電動ポイントを含め、走行可能な車両は限られる。 これらと同規格で、アスファルトを模した路面が一体化したワイドトラムレールも発売している。
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