基本仕様の拡充
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1990年(平成2年)に登場した98NOTE SX (PC-9801NS) は80386SXを搭載しており、RAMカードスロットに増設するRAMカードは(386SX以上のCPU搭載機では)プロテクトメモリとしても使用できるようになった。この機種以降、ハードディスクドライブ (HDD) を内蔵するモデルも登場するようになった。これはPC-9800シリーズで初めて2.5インチのIDE規格のHDDを採用した例である。ただし、BIOS上ではSASIと区別されておらず、当時の機種ではフォーマット時に認識する容量に制限が掛けられていた。また、この機種からディップスイッチが画面で設定できるようになり、システムセットアップメニュー(98NOTEメニュー)に統合された。同年のPC-9801NV (V30HL/16MHz搭載)ではHDDは内蔵できなかったものの、レジューム機能に対応したため、サードパーティ製のRAMカードをHDD互換の不揮発RAMドライブとして活用できるようになり、セカンドバッテリーパックにも対応した。さらに1991年のPC-9801NS/Eからはオプションで外部ディスプレイ出力が可能になり、HDDが専用パック方式になるなど、PC-9801型番の時代の98NOTEに共通の設計が定まってきている。この年には世界初のTFTカラー液晶を搭載したノートパソコンである、PC-9801NCも発売された。また、1992年からは98NOTE LIGHTと称したFDDを外付けにして小型軽量化したシリーズも展開された。その初代であるPC-9801NLはA4薄型サイズであり、従来の独自RAMカードスロットとは別に、PC-98HA (HANDY98) と同様のJEIDA4.0 (PCMCIA1.0) 規格のICカードスロットも搭載された。しかし、当時のカードスロットはI/O機能を持たずメモリ系のデバイスしか使えないといった欠点もあり、98NOTEでは採用が進まなかった。同年発売のPC-9801NS/T以降では独自のRAMカードスロットにI/O機能が追加され、これを利用したモデムカードが存在したほか、サードパーティからはLANカードも発売された。増設用のRAMには別の専用スロットも設けられた。数か月後にはNS/T相当で小型軽量化したNS/Lも登場した。この年に登場した上位機PC-9801NAおよびNA/Cからは、i486系CPUが採用されている。これは発売当時のPC-9801型番(すなわちH98は除く)機種としては、デスクトップのPC-9801FA (486SX/16MHz) を超える20MHz版が搭載されており、一時はシリーズ最速機種となった。また、内蔵IDEのフォーマット制限も無くなり、約500MBまでHDDを扱えるようになった。
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