国立科学博物館時代とは? わかりやすく解説

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国立科学博物館時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 05:01 UTC 版)

上野俊一」の記事における「国立科学博物館時代」の解説

1962年昭和37年)、上野両生類爬虫類担当学芸員として国立科学博物館就職した当時国立科学博物館昆虫担当学芸員には中根猛彦と黒澤良彦勤めており、昆虫がなかったのである。しかし、上野両生類爬虫類調査研究活動続けることを条件に、チビゴミムシや洞窟生物研究続け許可得ていた。 実際両生類爬虫類研究でも成果残しており、1963年出版された「原色日本両生類爬虫類図鑑」を著している。 このころには、上野昆虫学界で凄腕研究者として注目されるようになっており、1963年までの論文本数88本に及んだ1967年昭和42年8月上野京都大学によるマレーシアタイ生物相調査参加した。しかし、8月9日、タイ・チャンタブリー県での調査の際、上野交通事故遭い右手骨折してしまう。すぐにバンコク病院運ばれ手術が行われた。 幸い、手術成功したが、1ヶ月入院余儀なくされるその間に、京都大学調査団帰国してしまった。 入院生活から解放されると、上野は3ヶ月間にわたり、腕を吊った状態で単独タイ北部洞窟調査続けたが、不自由な腕では満足な調査はできなかったという。 帰国してすぐの1967年12月にはハーバード大学P. J. Darlington客員研究員として招かれ渡米するDarlington研究室には、南アメリカのチビゴミムシの標本極めて充実しており、感銘受けた述べている。また、アメリカ洞窟調査したほか、Darlingtonから指導を受け、議論ができたことは上野にとって大きな財産となった1968年昭和43年)に帰国したまた、同年国立科学博物館動物研究部昆虫担当研究員正式に異動するその後はさらに研究進め1975年昭和50年)には日本洞窟学会の立ち上げ参加する1978年昭和53年)、「洞窟学入門 暗黒地下世界をさぐる」を出版日本初めての洞窟学洞窟生物学入門書として知られている。 1985年昭和60年)には「原色日本甲虫図鑑 II巻」を発行日本甲虫研究金字塔であり、現在に至るまで類似の書籍が無い極めて優れた図鑑である。 1986年昭和61年)に自ら立ち上げた日本洞窟学会の会長就任1987年昭和62年)には国立科学博物館動物研究部昆虫第二研究室長に就任した1994年平成6年)に国立科学博物館動物研究部長に就任した後、1995年平成7年)に退任その後動物研究部名誉研究員として在籍した1990年代から2000年代には、日本はもちろん、中国インドシナ半島での洞窟性・地下浅層性チビゴミムシの解明にも力を注ぎ多数論文発表した中でも、DongodytesやGuizhaphaenopsの新種などに代表される極めて特徴的な形態持った洞窟メクラチビゴミムシ研究特筆値する。これらの調査で、複数の新属新種を含む、多数新種記載し中国のチビゴミムシ相の解明大きく貢献した2011年平成23年)に、上野人生最後論文が「Elytra, new series」誌(日本甲虫学会英文誌)の創刊号掲載された。その題名は「New Blind Trechine Beetles Belonging to the Kurasawatrechus-Complex (Coleoptera, Trechinae) from Northeast Japan : II. Species from the Owu Mountains」(東北地方産するクラサワメクラチビゴミムシ群のチビゴミムシ類 : II. 奥羽山脈分布する種)であり、最後まで人生をチビゴミムシの研究捧げたことが現れている。 2020年令和2年10月3日日本甲虫学会ホームページ訃報伝えられた。享年89歳だった。 国立科学博物館特別研究員時代上野指導受けた丸山宗利は、 多数論文添削していただくとともに多くのことを教えてくださった師匠であり、同時に祖父のような存在でもあった。九大就職決まったときに自分のことのように喜んでくださった昨日のように思いだされる。(原文ママ) とツイッター投稿し、その死を悼んだ

※この「国立科学博物館時代」の解説は、「上野俊一」の解説の一部です。
「国立科学博物館時代」を含む「上野俊一」の記事については、「上野俊一」の概要を参照ください。

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