和製漢字の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 14:23 UTC 版)
和製漢字訓読み音読み備考峠とうげ - 1484年成立『温故知新書』に「峠」の字がみえる。台湾では旁を「卡」に作る「𡶛」が多い(例:寿峠(壽峠)→壽𡶛)。 辻つじ - 『小右記』(11世紀)にすでに「辻」の字が見られる。『字統』では、逵の意の国字としている。平安初期は「つむじ」といった。中国の『新華字典』に「日本漢字」としてshí(「十」と同音)の読みを収載。 笹ささ - 字訓「ささ」は本来「篠」(しの)で表記 榊さかき - 『日本書紀』、『万葉集』では「賢木」が使われ、901年に完成した『新撰字鏡』には「榊」の字が確認できる。 腺- セン 宇田川玄真による造字。中国の『新華字典』にxiàn(「線」と同音)と収載、生物学・医学などの領域に一般的に使用される。 栃とち ‐ トチは日本原産の植物であり、「杤」とも書かれている。「厲」を「厉」に、「勵」を「励」に、「礪」を「砺」に、「蠣」を「蛎」に略されることから、栃は国字でなく櫔の略字だと誤認されることがあるが、栃の右は厉と一画目が異なる。 畠はたけ - 国字でない可能性がある。独自に「ハク」と音読する場合あり。 畑はたけ - 中国の『新華字典』にtián(「田」と同音)と収載。またベトナム語(チュノム)ではđènと読み、ランプのことをさす。 匂にお(う)・にお(い) - 『類聚名義抄』には、匀の別字として収載。近代においても、例えば芥川龍之介の『蜘蛛の糸』では、「何とも云えない好い匀」と使用例がある。 凪なぎ・な(ぐ) - 『同文通考』が国字として紹介している。 凧たこ - 1767年刊の黄表紙『春霞清玄凧』や1778年刊の黄表紙『職介凧始』など作品のタイトルに用いられている。 凩こがらし - 妙本寺蔵永禄二年写『いろは字』に出てくる。 俣また - 中国の漢詩に「俁」の異体字としてyǔと読む例がある。 枠わく - 「椊」(ソツ・スイ、ほぞ)は別字 込こ(む)・こ(める) - 躾しつ(ける)・しつけ - 1474年頃写『文明本節用集』にすでに見られる。 働はたら(く) ドウ 中国語での文語的表現は「動(动)」を使用 搾しぼ(る) サク 「榨」の異体字。国字とは言い難い。 錻ぶりき ブ 「錻力」でもぶりき 襷たすき - 国字でない可能性がある。 辷すべ(る) - 糀こうじ - 明治時代に米麹に対して作成された国字とされる。 樫かし - 中国では、「青岡」または「青剛櫟」と称して1文字の表記はない。 鱈たら セツ 国字だが、現代中国語に取り込まれ、xuě(「雪」と同音)と読んで一般的に使用される。 萩はぎ - 粁キロメートル - 明治時代に気象台により考案されたメートル法単位の国字。「メートル」を当て字で「米突」として先頭の「米」を取ったもので、「米」のみで「メートル」と読む。同様の国字には粨(ヘクトメートル)・籵(デカメートル)・糎(センチメートル)・粍(ミリメートル)があり、また「粉」にも国訓として「デシメートル」が当てられた。これらは中国でも用いられたことがあったが、現代はほぼ使われていない。 瓩キログラム - 「グラム」を当て字で「瓦蘭姆」として先頭の「瓦」を取ったもので、「瓦」のみで「グラム」と読む。同様の国字には瓸(ヘクトグラム)・瓧(デカグラム)・瓰(デシグラム)・甅(センチグラム)・瓱(ミリグラム)がある。中国では、「瓦」はワットを表し、グラムには「克」の字を当てているため、それに合わせて「兛」(キログラム)、「兞」(ミリグラム)といった漢字が作られたが、現代はほぼ使われていない。 竏キロリットル - 「リットル」を当て字で「立突」・「立脱耳」として先頭の「立」を取ったもので、「立」のみで「リットル」と読む。同様の国字には竡(ヘクトリットル)・竍(デカリットル)・竕(デシリットル)・竰(センチリットル)・竓(ミリリットル)があり、これらは中国でも用いられたことがあったが、現代はほぼ使われていない。
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