台本の構成要素とは? わかりやすく解説

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台本の構成要素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/25 02:34 UTC 版)

ヨハネ受難曲」の記事における「台本の構成要素」の解説

他の作曲家ヨハネ受難曲同様にヨハネ福音書骨子として、自由詩によるアリアレチタティーヴォ、さらに種々のコラール構成される。旧バッハ全集では68曲とカウントしていたが、新バッハ全集では40曲に改めた場面第一部14曲(捕縛からペテロ否みまで)、第二部26曲(ピラト審問から埋葬まで)、の二部構成である。特に第二部については、曲の配置シンメトリーになっていることが知られている。 「マタイ受難曲」の台本は、「ピカンダー」のペンネームを持つクリスティアン・フリードリヒ・ヘンリーツィがほぼ一人執筆した。これに対してヨハネ台本は誰の手よるもの判明していない。 マタイ受難曲聖書オラトリオ同様に聖書部分は、地の文福音史家エヴァンゲリスト)役のテノールレチタティーヴォ朗誦していく。登場人物のうち、個人台詞ソリスト委ねられ、特にバス担当するイエス福音は、マタイ同様に弦楽器伴奏をともなうレチタティーヴォ・アコンパニヤートで区別されるカヤパイスカリオテのユダどころか同時に磔刑にされた罪人千人隊長にまで台詞割り振られマタイより登場人物少ないため、ソリスト担当する脇役人物は、ペテロバス)・ピラトバス)・ペテロ見咎め召使の女(ソプラノ)の3名に留まる逆にイエス捕らえ兵隊たち、イエスの死刑を要求する群集などの集団台詞合唱によって歌われるソリスト多数登場するマタイ比べて合唱比重がかなり高い。これはマタイ個人言葉ヨハネ群衆言葉多用するためである(無罪要求するピラトに対して司祭たちが脅迫する場面では、マタイ福音書では代表者カヤパ台詞で、ヨハネ福音書では司祭たち全員怒号表記されている)。 なお、2箇所限ってマタイ福音書劇的な描写挿入されている。1つ目は第1部終末ペテロ3度イエスを否んだ直後に、過ち悟ったペテロ慟哭する場面描写したマタイ2676節である。2つ目は、イエス絶命直後起きた天変地異描写したマタイ27章51-52節である。 この曲に用いられているヨハネ福音書は、当時ライプツィヒ市販されていた聖書とは異な文体聖書から引用されている。バッハ過去就職していた町で流布していた聖書とも一致しない。 この聖書個人の信仰結びつける役目を担うのが、自由詩アリアアリオーソである。受難現場直接目撃する者の視点描かれる曲だが、8曲分の詩が判明している。一つ台本からではなく4種上の受難曲台本から抜粋している。バッハ本人選者ではないかとする仮説もある。 さらにヨハネ欠かせないのがコラールである。前述シンメトリー構造中心軸据えられているのがコラールであり、ヨハネ全体締めくくるのもコラールである。教会受難物語聞く参列者の視点で、参列者の信仰心を問うものである。 そして大規模な自由詩合唱は、常識的にオープニングとエンディング置かれる。現にマタイ受難曲ではそのようになっているが、バッハヨハネでは、1732年稿を例外として、終曲合唱後ろ置かれコラール占有している。 構成要素を数で表すと、聖書朗誦17曲(第1部6・第2部11)・自由詩アリア10曲(3/7)・コラール11(4/7)・合唱2で合計40曲である。

※この「台本の構成要素」の解説は、「ヨハネ受難曲」の解説の一部です。
「台本の構成要素」を含む「ヨハネ受難曲」の記事については、「ヨハネ受難曲」の概要を参照ください。

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