十数nmとその先の時期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 21:21 UTC 版)
「極端紫外線リソグラフィ」の記事における「十数nmとその先の時期」の解説
ハイニックスは、ダブルパターニングを使用した193nmの液浸リソグラフィが~20nm以下に解像でき、その一方でよりコストを意識したEUVアプローチが、28nmを下回る程度にしかならず、193nmの液浸リソグラフィシングルパターニングの38nmの解像限界を越える世代の改善に満たないと見出した。 その現在の解像限界と準備不足のため、EUVLは近年、現在の20nmクラスNANDフラッシュ技術世代を選択するリソグラフィのような、既存の液浸リソグラフィツールを使用したマルチパターニングにとって変えられている。サムスンとIM Flash Technologiesは3x nmと2x nmのNANDフラッシュのためにスペーサダブルパターニングを既に使用し始めた。東芝とサンディスクは19nmNANDフラッシュを2011年に既に開始している。現状、EUVシングル露光解像度は依然22nmを越えており、EUVまたはArF波長を使用するにかかわらずマルチパターニングは~10-14nmにおいては必要である。IEDM 2011では、ハイニックスは四重のスペーサパターニングを使用した十数nm NANDテクノロジーを発表すると期待されている。 2009年の9月には、インテルは、15nmのプロセスについては、EUVが時宜を得た方法で準備ができているように見えないことを明らかにした。従ってインテルは、15nmまで倍、および恐らく3倍のパターニングを備えた193nmの液浸リソグラフィを拡張する準備をしている。現在では、11nmの論理ノードに対するEUVの実現可能性を追求しているが、2次元コンタクトパターニングは、改善した線幅粗さのための特別な洗浄処理が非常にピッチに依存しているようである一方で、依然~26nmハーフピッチにおいてのみ良好であるようである。インテルは、EUVを使用せずとも、それが11nmのノードで今までどおり193nmの液浸リソグラフィを使用できると明言した。 2010時点で、所要のEUV検査装置の開発が可能になるため、2015年までEUVが遅れるであろうと見られていた。他方では、メーカーの工程表はEUVを使用することを妨げ、2012-2013が1x nmに必要な時期であると示している。EUVLの長期的な推進の検討は今10nm以下のデザインルールを検討する必要があるだろう。しかしながら、現時点では、より大きな電場ベクトル角度により、分極効果は重要になる。分極効果により10nmのハーフピッチ・ライン・スペース用の有効なフレアは11%である。EUVの難しさは偏光制御(レーザー源が無くプラズマのみ)の不足である。 ASMLは、16nm以下の性能は現状の6度より大きい照射軸が必要とされると指摘し、それゆえ現在のEUVの多層膜光学基盤に対する根本的変化が必要とされる。とりわけ、アポディゼーション(軽度の入射瞳を越えた強度の不均一性)は、異なる角度での異なる反射率により、より高い開口数(NA)ではより深刻となる。 キヤノンは第1回国際EUVLシンポジウムにおいて、高いNAをもつEUVシステムは大角度範囲にアクセスされるため、2つの異なる偏光間でシステム透過率の大きい相違を表すだろうと示した。 実際、8波長以下のEUVマスクピッチにおいては、大角度での多層膜への回折は、徹底的な計算評価を要求する深刻なイメージ劣化の別の原因である。大角度では、多層膜反射率は著しく減少する。 別の問題は、10nm以下での利用においては、既に処理能力問題に悩まされている、EUVマスクパターニングの電子線リソグラフィは解像度要求を適合させる実用的なレジストの困難性を持っていることである実際のところ、20nm以下では、現在の電子線マスク描画装置はマスク上に80nmサイズを繰り返し供給することができない。 近年のEUVゾーンプレートリソグラフィ評価はサブ20nmハーフピッチのものであり、次世代リソグラフィがダブルパターニングを必要としても実際のところ、ダブルパターニングはサブ12nmハーフピッチでさえ満足しないだろう。結果として、オーバーレイと処理能力の必要条件は、以前より少なくとも2倍厳格な必要があるだろう。 2011年のLithoVisionコンファレンスにおいて、インテルは、EUV技術がインテルの10nmのデザイン・ルール計画に既に遅れることを示した。 ASMLは、10nmイメージングに至るまで13.5nmのEUV波長が使用されるはずであり、さらにより高い解像度において6.6~6.8nmの新しいEUV波長が使用されると提言した。 2015に渡って現在計画された装置は、15nmの解像度に達すると予定されていない。。 サイマーは自社の20W光源の出荷を2012年の第一四半期から第二四半期まで延期した。 サムスンもまた、自社のEUVを2013年の後に延期した。 同様に、GlobalFoundriesとTSMCは20nmを越えるEUVの使用を延期した。 2012年の始めの時点で、EUVは、光源出力、欠陥、オーバーレイ、レジストおよびマスクの領域で残る重要な問題を持っている。 2012年7月時点で、6式のNXE:3100(現在製造中止)および11式のNXE:3300がプロセス開発用に発注され、4式のNXE:3300が生産を目的としている。後者の発注はサムスンとSKHynixとの間で分けられた。
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