北朝鮮における「親日派」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 06:30 UTC 版)
親日派と見做された者は、終身収容所に収容されることになっている。 北朝鮮は「韓国と違って、親日派を徹底的に排除した。だから、国家の正当性は北朝鮮にこそある。」との韓国左派や日本左派を中心に信じられているがある 。朝鮮日報は1956年の8月宗派事件の時に金日成の独裁反対派が「土窟の中の人民が飢えと病魔に苦しむ」と表現するほどの北朝鮮経済の現実と共に、金日成が北朝鮮に残留した日本人技術者を独立運動家以上に優遇したことで「親日派重用」を批判された事実などが歴史に残っていることから否定している。さらに朝鮮日報は「1970年代初頭まで北朝鮮のが経済優位にあった」ことも、朝鮮戦争で6,7割の稼働率になったものの日本が残した1950年代レベルの産業設備や戦後の共産陣営から国際支援があったからだと指摘して、「北朝鮮政権の業績があるとすれば、そのために親日派を重用し、日本人を優遇した「柔軟性」くらいだろう。」と皮肉っている。1970年代初頭まで北朝鮮が韓国よりも経済優位にあったとの主張も在日朝鮮人帰国者が日本に残った家族に送った手紙や証言から嘘であると指摘している。朝鮮日報は北朝鮮政権の支持者たちが主張する北朝鮮経済の破綻原因を西側諸国の敵対政策・圧力・封鎖など外的要因と主張していることにということも、北朝鮮経済の没落はむしろ1971年の西側諸国による大規模な対北朝鮮投資時期と一致することから嘘だと批判している。実際に金日成独裁体制下でも国際社会からの制裁もなかった時代の北朝鮮は外資運用の失敗により、3年で償還を中断・破綻した。そして、この失敗に対する欲求不満を世界に向けた核兵器など敵対行為で国際社会に示した。そのため、朝鮮日報は「北朝鮮に圧力を加えて封鎖したのは西側諸国ではなく北朝鮮自身だ」と指摘している。 韓国の左派から親日派を全て始末したとして国家の正統性は韓国よりもあると信じられている北朝鮮では、金一族への敵対者を「親日派」として殺害や処罰していた一方で、韓国で親日認定される経歴を持つ人々を多数重用していた。北朝鮮の最高指導者となった金日成の実の弟で、関東軍の通訳だった金英柱、満州国検事長出身だったが戦後に北朝鮮検察総長・金日成総合大学の教授を務めたハン・ナッキュ、日本統治時代に朝鮮半島の咸興鉄道局長から北朝鮮臨時人民委員会交通局長になったハン・ヒジン、旧日本軍のパイロットから朝鮮人民軍空軍司令官になったイ・ファルらなど親日認定基準を満たす北朝鮮側の人々も日本統治時代の経験への評価から出世している。また北朝鮮では解放時に朝鮮にいた高度な技術を有する日本人エンジニアを抑留し、研究開発業務に使役していた。彼らの待遇は北朝鮮の幹部クラスであったためしばしば一般人民の批判を浴びた。 金正恩の母高容姫(コ・ヨンヒ)は在日朝鮮人であるが、彼女の父親が日本軍の兵器製造工場の幹部という説があるので、北朝鮮国内では彼女に関する報道が非常に少ない。
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