共有、個人所有、シェアリングの歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 03:18 UTC 版)
「自動車」の記事における「共有、個人所有、シェアリングの歴史」の解説
共有の歴史 当初は自動車を所有するのはごくごく少数の貴族や富裕層にとどまっていた。所有者に重いコストがのしかかる乗り物という存在を、所有せず活用する、という発想は古くからあり、例えば古代ローマにも馬車を現代のタクシーのように従量式で使う手法も存在したことがあったともいう。1620年にはフランスで貸馬車業が登場し(言わば、現代のレンタカーに当たる)、1662年にはブレーズ・パスカルが史上初のバスとされる5ソルの馬車を発明しパリで営業を開始した。1831年にはゴールズワージー・ガーニー、ウォルター・ハンコックが蒸気式の自動車で乗り合いバスの運行を開始した。 1871年にはドイツ人のヴィルヘルム・ブルーンによってタクシーメーターが発明され、1897年にはゴットリープ・ダイムラーが世界初のメーター付きタクシー(ガソリン車)Daimler Victoriaを製造した。レンタカーの最古の歴史ははっきりしないが、米国における最初のレンタカー業者は、初の量産車とされるT型フォードを用いて1916年から営業した、と言われることはある。その最初のレンタカー業者とされるネブラスカの男Joe Saundersは、車にメーターを取り付け 1マイルあたり10セントの方式で貸したという。 大量生産と大衆による所有と個人所有にかかる諸費用の膨張 米国で1908年、フォードがフォード・T型を発売した。フォードは、流れ作業による大量生産方式を採用し自動車の価格を引き下げることに成功した。これにより裕福層の所有物であった自動車を、大衆が所有することが可能となり自動車産業が大きく発展するさきがけとなった。ヨーロッパでは1910年ごろに、大衆の自動車に対する欲求を満たすように、二輪車の部品や技術を用いて製造された小型軽量車、いわゆる「サイクルカー」が普及していった。1922年にフォードと同様の生産方法を用いた小型大衆車が発売され、本格的に自動車が普及していく事になった。また、それに伴いサイクルカーは姿を消していき、大衆車の普及によって、一般市民が自動車を所有することが可能となり、自家用自動車(自家用車)が普及すると、それに伴って自動車の利用が一般化、いわゆるモータリゼーションが起きた。世界で初めてモータリゼーションが起こったのは1920年代のアメリカ合衆国であり、次いで西ヨーロッパ諸国においても起こり、日本でも1970年ごろにモータリゼーションがはじまった。個人用自動車の普及は、鉄道や船といった公共交通機関に頼っていた時代に比べて利用者に圧倒的に高い自由度をもたらし、個人の行動半径を大きく拡大させることとなった。 だが現代では、自動車を個人が所有するには、払わなければならない費用は、車両の価格だけで済まず、それ以外に自動車税・自動車重量税・自賠責保険料・車検代・消耗品等の費用・ガソリン代・駐車場代・任意保険料などの費用がかかる。ナイル株式会社が2022年に公表した、「自家用車にかかる費用が家計を圧迫していると感じるか?」という設問で行ったアンケートの結果によると、 62.4%(730人)が(自動車にかかる費用が家計を圧迫していると)「感じる」と答えた。 カーシェアリングやライドシェア 1970年代にはスイスなどでカーシェアリングも始まった。カーシェアはその後世界各国に広がり、2000年代には、アメリカやヨーロッパなどではUber(ウーバー)など、自家用車による有償ライドシェアを認める地域も増えてきているなど、自動車を個人所有せず快適に利用する方法は多様化してきている。(日本は既得権益優先なのでウーバーが参入できていない)。
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