他の交通機関との運賃競争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 13:45 UTC 版)
「はかた号」の記事における「他の交通機関との運賃競争」の解説
はかた号の所要時間は、航空機(所要90分から100分程度)や鉄道(東海道・山陽新幹線「のぞみ」は所要5時間4分)との差は大きかったものの、この当時の鉄道利用の場合は通常期に新幹線普通車指定席を利用の場合で片道23,100円(運賃13,180円+「のぞみ」特急料金9,920円) で、航空機利用なら片道25,350円・往復45,800円(いずれもジェット特別料金片道850円を含む) となっており、価格面では「はかた号」が優位であった。 航空においては、1998年9月にスカイマークエアラインズ(現・スカイマーク)が羽田 - 福岡線に新規参入し、普通運賃を日本航空・全日本空輸・日本エアシステムの大手航空3社の半額となる13,700円に設定したため、大手3社は「特割」などの割引運賃でこれに追随した。この結果、航空運賃は「はかた号」の片道普通運賃を下回った(ただし、航空運賃は一定ではなく時期などによって変動する)。のちに航空運賃は徐々に値上げされ、航空の通常期運賃などに比べ「はかた号」の価格面での優位性は再び高まった。その後、東京 - 北九州線に新規参入したスターフライヤーが、指定期間のみ発売・2か月前予約・購入が必要という条件とはいえ片道1万円前後の航空券を販売している。北九州発の始発便と羽田発の最終便については、前日までの購入でも13,000円から16,000円程度の価格設定となった(その時間帯は深夜早朝に当たり、北九州空港と市街地を結ぶ鉄道・バスの便がないため安価な設定とされている)。また、日本航空・全日本空輸の大手航空2社も期間限定の早期割引運賃では「はかた号」の運賃と同程度の運賃設定を行っている。また格安航空会社においては、2013年よりジェットスタージャパンが、2015年よりPeachが成田 - 福岡間に就航した。2022年現在、Peachは3990円からとなる運賃設定を行い特に閑散期での価格面で優位に立っている。 鉄道においては、福岡市に西日本旅客鉄道(JR西日本)山陽新幹線の終点である博多駅が立地し、JR各社では運賃・新幹線特急料金を割り引いた特別企画乗車券の発売を行っている。「のぞみ早特往復きっぷ」は福岡側のみの発売で、利用条件が限定されるが(1週間以上前の購入・往復利用)、福岡市内 - 東京都区内間で「はかた号」のビジネスシートより高くプレミアムシートより安い往復33,000円(片道あたり16,500円)の特別企画乗車券を発売している。 航空・鉄道の各種割引制度や特別企画乗車券の導入による実質的な低価格化により、1999年1月18日以降は京王が撤退して西鉄の単独運行に移行し、2往復の運行から1往復に減便された。なお、年末年始・ゴールデンウィーク・お盆などの繁忙期には「はかた号」が増車運行されることもある。 さらに21世紀に入ると、オリオンツアー、ロータリーエアーサービスなどによりツアーバスが主催されるようになり、「はかた号」のビジネスシートと同等の独立3列シートタイプで片道10,000円から13,000円程度、エコノミーシートと同等の4列シートタイプの格安便だと時期によっては片道8,000円という旅行代金が設定される日もあった。また主催者や便によっては「はかた号」と同様の新宿・福岡市内のほか、東京ディズニーリゾート・東京駅周辺・横浜市・北九州市などの多様な発着地が設定された。これらのツアーバスは2013年7月31日の「新高速バス制度」施行までに多くが姿を消し、天領バスの「オリオンバス」とロイヤルバスの「ロイヤルエクスプレス」が高速乗合バスに移行したが、いずれも運賃はツアーバス時代の料金より上がり「はかた号」との価格差は縮小した。「ロイヤルエクスプレス」は2017年に運行休止され、「オリオンバス」のみが残っていたが、2020年にこれまで天領バスに運行委託されていた「オリオンバス」の元請であるオー・ティー・ビーが福岡営業所を開設し、隔日自社運行となったのち、2021年3月に新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受けて運休を機に天領バスがオリオンバスより離脱、独自に「TenryoLINER」を立ち上げ7月31日より運行開始した事により、現在は「はかた号」「オリオンバス」「TenryoLINER」の3社による競合となっている。
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