今村均による若き日の山中とは? わかりやすく解説

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今村均による若き日の山中

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 05:26 UTC 版)

山中峯太郎」の記事における「今村均による若き日の山中」の解説

山中陸士19期の同期生である今村均が、回顧録若き日山中について詳しく述べている。 山中陸士18期として入校したが、脚気病んで自宅療養余儀なくされ、1期遅れの19となった。しかし、今村によると、19期が陸士入校した時期山中はすっかり健康を回復しており、大柄な体躯良く肥えており、丸顔で、度が強い近視眼鏡常用していた。 今村によると、山中大阪陸軍幼年学校陸軍中央幼年学校本科双方首席卒業した俊英であり、ドイツ人教官対等に会話できるほどの独語力を持ち陸士19期の入校初日から、候補生たちの注目の的であった陸士教育課程について行くためには、規定自習時間には、時間惜しんで教科書勉強せねばならない状況であるのに、山中自習時間に常にドイツ語の本開いて何かをせっせと書いていた。陸士自習室で、今村山中と席が近く山中様子を見ることができたのであるが、同期生たちは山中ドイツ語の本読んで何を書いているのか不思議に思っていたという。そして、山中ペンネーム使って大阪毎日新聞懸賞小説今日小説新人賞)に翻訳小説応募して第1位を獲得したことが候補生たちに知れ渡った。その直後今村は、山中ベッド藁布団マットレス)がひっくり返され、何冊かのドイツ語の本発見没収されたという話を聞き山中自習室せっせと書いていたのは、くだんの翻訳小説であったのだろう、と理解した。この件について山中処罰を受けることはなく、山中行動には何の変化もなかった。 今村下記のように記している。 ”あんな天才的秀才だから、区隊長や週番士官もあれ〔山中〕だけは特別扱いにしているのかも知れない”と、思わしめられた。 — 今村均。〔〕内は引用者が補充山中は、毎日夕食後、陸士校庭30分ほど、キリスト教説教をしており、何人かの候補生常連となっていた。当時陸軍には、キリスト教白眼視する雰囲気があった。それなのに、規則づくめの陸士の中で、他の候補生にキリスト教説く山中勇気に、今村感嘆した今村山中人となり関心強め山中とじっくり話をしてみたいと願ったが、陸士卒業するまで山中と話す機会を得なかったという。 陸士では教官中隊長区隊長が候補生たちの教育にあたっていたが、候補生もっとも近いのが区隊長(陸士卒業成績上位で、5年から6年の隊附勤務経た青年将校任じられるであった区隊長は、担当する候補生について約1/3の科目採点行い候補生陸士卒業成績陸軍将校として将来、特に「陸大受験機会得られるか否か」を左右する)に対し最大影響力有していた。そのため、区隊長の一部には「職務権限」を濫用し担当する候補生威圧的接し些細な理由暴力振るう者がいた。 成績優秀な山中は、担当区隊長であるN中尉当初一目置かれいたものの、次第疎んじられようになった陸士卒業する1か月ほど前、教練最中にN中尉山中の間で諍い起き、他の者が見ている前でN中尉山中を殴る事件起きた。ただし、隠していたドイツ語の本発見没収された時と同様、山中処罰されることはなかった。 今村が「小学校以来首席はずしたとがないと云われる秀才」と評した山中は、陸士卒業の際は恩賜逃した。しかし山中は、陸士19期の先陣切って、ただ一人少尉陸大入校果たした1968年昭和43年)に死去した今村は、1966年昭和41年)に死去した山中晩年まで親しく交際していたが、山中陸大退校させられ陸軍去った経緯については、下記のように記している。 が、教官より図抜けている才能教官多数嫌忌招いて半途退校させられると、すぐに朝日新聞迎えられ時の孫逸仙氏の支那革命に関する彼の記事断然他の新聞には見られない異彩あらわした。 — 今村均陸大27期首席の栄誉輝き陸士19期の出世頭として、現役陸軍大将第8方面軍司令官昭和20年敗戦迎えた今村が、山中頭脳畏敬の念持っていたことが分かる

※この「今村均による若き日の山中」の解説は、「山中峯太郎」の解説の一部です。
「今村均による若き日の山中」を含む「山中峯太郎」の記事については、「山中峯太郎」の概要を参照ください。

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