事件認知
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 00:26 UTC 版)
22時過ぎ、警衛司令は一場士長からの連絡が途絶えたことから、次の歩哨を少し早めに交代場所に派遣した。22時30分、交代の時間になっても一場士長は交代場所に現れなかった。警衛司令はラッパ手1名を交代場所に派遣し、2名で捜索を開始した。23時30分、捜索隊から発見できずの報を受け、警衛司令は休憩中の歩哨4名を捜索に追加した。午前0時過ぎ、警衛司令は捜索隊に警衛所で仮眠していた7名を捜索に追加した。合計13名での捜索から30分後の午前0時30分、捜索隊の一人が血まみれで倒れている一場士長を発見した。 一場士長は直ちに病院に搬送されたが、既に死亡していた。 事件現場周辺には、一場士長が所持していた銃剣、鉄帽、懐中電灯が散乱していた他、近くの側溝から小銃が発見された。一方、犯人が残したとみられる以下の遺留品があった。 1メートル四方の赤い布に、黄色のビニールテープで「赤衛軍」と貼り付けた旗 「赤衛軍」と書かれた赤いヘルメット2個 ヘルメットの汗取りの折り返しの中に「緊急通達」と書かれた、6センチメートル×13センチメートル大のメモ1枚 『戦斗宣言!!』と題するわら半紙に謄写版で印刷されたビラ82枚 『朝日新聞』1971年(昭和46年)6月17日付、朝刊経済面 腕時計2個 眼鏡1個 また、一場士長が左腕に付けていた「警衛」の腕章が消えていた。 『戦斗宣言!!』は次の文面が手書きで書かれていた。 戦斗宣言!! ☆日本共産党中央委員会 ☆日本共産党赤衛軍 関東第一方面軍《人民の革命的前衛》 われわれ日本共产(産)党と人民の革命的先鋒部隊=赤衛軍は、本日の〈米軍=自衛隊反革命軍に対する《基地襲撃銃器奪取斗争》を突破口として、圧仆(倒)的な非合法遊撃战(戦)に突入したことを、ここにすべての労働者・農民・学生・被抑圧人民に宣言し、全囗(国)いたるところに散在している革命的武斗派諸君のわれわれの战(戦)列への結集を呼びかけるものである! 全世界のブルジョアジーどもよ! プロレタリア世界暴力革命に反対し、人民への搾取と抑圧とをもって己のあとわずかばかり残された生命をつなぎとめることに日夜狂奔することのみなすすべを知らぬ一切の反革命―反動勢力とその権力の手先どもよ、聞くがよい! 長い間われわれは卑しむべき欺瞞の“平和”に耐えてきた。われわれは、この人民への搾取と抑圧の上にあぐらをかき、深々としてここちの良いソファーに包まれながら「世界は永久におれたちのものだ」といわんばかりのいまいましい面をひっさげているおまえたちを、この世界から一掃せねばならぬ歴史的な任務を必ずや遂行するであろう。帝国主义(義)者どもよ、おまえたちが大战(戦)争の危機を強調し人民を脅かしつつあるいま、それに対するわれわれの正しい解答は、战(戦)争を恐れ回避することではない。われわれは正义(義)の革命戦争をもっておまえたちの帝囗(国)主义(義)侵略反革命战(戦)争に反対するだろう! いまわれわれは、政治的にも人間的にもより複雑な任務に直面しつつある。われわれは(裏面へ→) すべての人々の解放に向けた希望を己の一身に托しつつ決起した。われわれは自らの正しさの保証を得るためには、ただ自らの眼を持ってする現実の真摯な分析とおのおのの人民の革命的実践あるのみであることを、誰にもまして良く知っている。 われわれは革命的実践を通じてマルクス・レーニン主义(義)の真理に到達しようとしている。それをわれわれは革命的斗争の鉄火の中から生まれるものであり、かつ獲得しうるものだと固く信じている。 いまや、わが囗(国)における人民解放武装闘争の条件は、いやというほどたっぷりと成熟している! 本日を機して日本共产(産)党は鮮烈な非合法斗争に突入した! いまやブルジョアジーは、その足もとからくずれ去ろうとしている! 総べての権力を人民へ! 日本人民の偉大な武装闘争万才! プロレタリア国際主义(義)万才! 日本共产(産)党万才! 人民の革命的前衛=赤衛軍万才! 真紅の暴力路線万才! 日本共産党は斗うぞ! 赤衛軍は勝利するぞ! 基地襲撃銃器奪取斗争の勝利万才! — 赤衛軍『戦斗宣言!!』 ()内は加筆
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