主な職業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/03 23:58 UTC 版)
使者(Herald) 〈使者〉はヴァルデマールの執行官、外交官、裁判官、伝令吏、密偵、あるいはそれ以上のものである。彼らは職務上の道徳心、忠誠心に優れ、賄賂は通用せず、時には国のために死地に赴くこともためらわない。故に、半数が老境を迎える前に殉職するという。制服の色は白。ケロウィンはこの制服のことを「“さあ、わたしを射て”といわんばかり」と形容した(『運命の剣』)。 国籍や身分の上下に関わりなく〈共に歩むもの〉に選ばれることが、〈使者〉になる第一歩である。選ばれるものはたいてい十代前半だが、まれに二十歳近くで選ばれることもある。選ばれた候補は〈使者学院〉で教育を受ける。教育は多岐にわたり、基本的な教養、宮廷儀礼、そして戦闘訓練も含まれる。教育機関中の制服は灰色で、教育が終了すると白衣を受け取り、指導員と共に研修の巡回に赴くこととなる。 〈使者〉のなかでも特別なものとして〈女王補佐〉(あるいは〈君主補佐〉)と呼ばれる者がいる。その〈共に歩むもの〉は常に〈出現の原〉から現れ、必ず前任者を選ぶ。前任者が死亡しているときは自ら新たな〈補佐〉となるべき候補を選びに旅に出る。〈女王補佐〉は女王の対等な助言者であり、その意味ではヴァルデマールの統治者は、〈使者〉であることと〈補佐〉がいることにより、二重に堕落を防いでいるといえる。 魔法使い(Mage) 魔法使いは魔法を行使するものの総称である。心理魔法は多くの場合含まれない。力の弱いものは“まじない士”と呼ばれることもある。 魔法使いには多くの流派があり、教え方や習得する魔法もさまざまだが、魔法使いとしての階級は一致している。〈見習い〉〈修行者〉〈師範〉〈達人〉がそれである。魔法で触れたように、天恵により達することのできる境地は限界があるものの、すべての魔法使いは〈見習い〉となって基礎の修行を行なうが、そこから先は流派により異なる。また、各階級はあくまでも個人の持ち得る力の目安であり、意思の強さや戦略次第では、下位の魔法使いであっても〈達人〉を破ることは可能である。ただし、大地の中を流れるエネルギーは各階級で扱える大きさが決まっており、無闇に触れると良くて体調不良、最悪の場合死に至る。 ケスリーの属する〈白き風〉では、各段階で自らを試すことを自分自身以外に強制されることはないし、何度でも試みることができる。しかし本人がその段階に達していない場合は、各段階を試すための呪文は何の効果も表さない。 特殊なのが“血の魔法使い”で、彼らがより高みを目指そうとするなら、師匠に“挑戦”し、少なくとも引き分けなければならない。敗北した場合どうなるかは、“血の魔法使い”の力の源が何であるかを考えれば、自ずと知れることである。 治療者(Healer) 治療者は怪我人の治療に当たるもののことである。基本的に“癒し”や“心の癒し”(あるいは双方)の天恵を持つものが訓練を受けて治療者となる。“共感”の天恵を持つものもいるが、その数は少なく、強力とはいえないものが多い。 治療者と魔法使いは天恵のベクトルが違うだけの別側面とも言える。そのため魔法使いの中には“癒しの流派”と呼ばれる流派も存在する。階級にもそれは表れており、魔法使いと同様〈見習い〉〈修行者〉〈師範〉〈達人〉といった階級があるが、〈達人〉治療者は極めて少ない。 ヴァルデマールでは治療者の制服の色は緑。 吟遊詩人(Bard) 吟遊詩人は歌曲を創作し提供するもののことである。世界的に共通の職業であるが、ヴァルデマールでは〈詩人学院〉で教育を受けたもののみが名乗ることができる。ヴァルデマールでの制服の色は緋色。 吟遊詩人には特権があり、その土地の法に触れない限り、歌曲により聴衆や特定の誰かを不快にさせたとしても、決して罰せられることはない(『裁きの門』で、タルマが吟遊詩人レスラックのことを「吟遊詩人の特権なんてものがなかったら五回は殺してやったのに」と罵る場面がある)。 ヴァルデマールでは王命によって〈使者〉のように派遣されたり、滞在先の情報を収集して報告を行うこともある。そのため、一定の戦闘訓練を受けている。 傭兵(Mercenary) 傭兵とは報酬で戦を行なうもののことである。傭兵組合が存在し、これに登録しなければ傭兵として生活することはできない(厳密には登録しなくても傭兵として名乗りを上げることは可能であるが、信用されない)。 組合に登録した傭兵は自由契約の傭兵という立場になる。これは単に傭兵として一本立ちしたという意味しか持たず、仕事を探すことから報酬の取立てまで、すべて自分で行なう必要がある。 登録料とは別に組合に保証金を預けると、保証契約つきの傭兵という立場になる。組合の掟に縛られるが、掟が破られたときは、損害は保証金によってまかなわれ、掟を破った側(傭兵側、雇用者側問わず)への取立てと罰則の適用は組合が行なう。 これらのことは傭兵個人のみならず傭兵隊にも同じことが言える。また、傭兵隊とそこに所属する傭兵との間で何らかのいさかいが起きた際の裁定も、組合が行なう。
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