中国陶磁史の概観とは? わかりやすく解説

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中国陶磁史の概観

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 14:05 UTC 版)

中国の陶磁器」の記事における「中国陶磁史の概観」の解説

中国陶瓷史』(中国珪酸塩学会編、1982)の序文は、中国陶磁精細な製作技術悠久歴史伝統世界で類まれなもので、中国古代文化主要な一部構成し人類物質文化史上重要な研究対象であると述べている。意匠器形西アジアなどの外国影響を受けつつも、中国陶磁は常に独自の歩み続けてきた。中国長い歴史の中ではたびたび王朝交替したが、漢民族以外の民族による征服王朝時代においても、中国陶磁伝統守られ一貫した陶磁史を形成している。 中国陶磁歴史新石器時代始まった中国における最初期の土器が、いつ、どこで作り始められたかは明確ではないが、出土品放射性炭素年代測定結果によれば1万年前頃には原始的な土器が焼造されている(後述のように、最初期の土器2万年前さかのぼるとの報告もある)。中国陶磁特色一つは、早くも新石器文化期に窯の使用開始していることである。野焼きによる土器焼成から一歩進んで、窯を使用することによって、高火度焼成が可能となり、より硬質やきもの生産されるようになったまた、胎土選択焼成温度や窯内に送る酸素量調節などの工夫によって、灰陶黒陶白陶などの変化に富んだやきもの作られるようになった。さらに、ロクロ使用によって精緻な形態の、器壁が薄く均一なやきもの作り上げることができるようになった今一つ特色施釉陶の開発である。世界陶磁史のなかで、外国からの技術導入ではなく自発的に施釉陶を開発したのは西アジア・エジプト地域中国であった中国ではすでに殷中期紀元前1500年頃には灰釉人為的に掛けた施釉陶が生産されている。この時期施釉陶を「磁器」とみなすかどうかについては意見分かれるが、それから千数百年を経た後漢時代2世紀)には「古越磁」と呼ばれる本格的な青磁器が焼成されている。唐時代陶磁工芸代表するものとして唐三彩があるが、これは磁器ではなく、釉に鉛を用い、低火度焼成した鉛釉陶器である。唐三彩墳墓副葬品建築材料として作られたものであり、日常生活用品ではなかった。 宋代には官窯設置され定窯白磁汝窯じょよう)の青磁などに代表される器形・釉調ともに最高度の技術駆使した作品生み出された。同時に華北華南各地磁州窯耀州窯龍泉窯建窯吉州窯などの個性的な窯が栄えたが、中でもこの時代から存在感発揮し以後中国陶磁史をリードしていくのが江西景徳鎮窯である。元代には、白地コバルト顔料による青色絵付けをした磁器である青花日本語では「染付」という)の生産盛んになり、輸出磁器として、イスラム圏などの外国競って求められるようになった明代には景徳鎮窯窯業中心となり、青花五彩などの絵画的加飾施した器が盛んに生産された。明末から清初にかけては、景徳鎮民窯福建省漳州窯などで、官窯とは作風異な輸出向け磁器大量生産され、ポルトガル・オランダ・日本など運ばれた。清代には、七宝技法応用した粉彩琺瑯彩)の技術開発され磁器の器面に絵画同様の絵付け施されるようになった。この時期技術の進歩によってさまざまな色釉新たに開発され中国陶磁成形施釉技術絵付け技法ともにその頂点迎えた清代後期以降中国陶磁は、社会情勢不安定化とともに従来技術水準維持することができなくなり頂点極めた中国陶磁はその進化の歴史終止符打った

※この「中国陶磁史の概観」の解説は、「中国の陶磁器」の解説の一部です。
「中国陶磁史の概観」を含む「中国の陶磁器」の記事については、「中国の陶磁器」の概要を参照ください。

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