世界大会エントリー ファイナル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 08:53 UTC 版)
「第3回東京音楽祭」の記事における「世界大会エントリー ファイナル」の解説
海外10曲+国内3曲(出場順) 曲順エントリー歌手参加楽曲受賞国1 サイモン&ベッティーナSimon & Bettina 「18-19-20」Eighteen-Nineteen-Twenty TBS賞 西ドイツ 2 五木ひろし 「別れの鐘の音」 銅賞外国審査員団賞 日本 3 ザ・ギミックスThe Gimmicks 「オール・トゥギャザー・ナウ」All Together Now TBS賞 スウェーデン 4 布施明 「積木の部屋」 銀賞 日本 5 ゴールド&シルバーGold & Silver 「アップ・オーバー・マイ・ヘッド」Up over my Head TBS賞 イギリス 6 ルネ・シマールRene Simard ミドリ色の屋根Non ne Pleure pas(泣かないで) グランプリフランク・シナトラ賞 カナダ 7 マリー・トラヴァースMary Travers 「ライト・オブ・ディ」Light of DaySole che Nasce Sole che Muore TBS賞 アメリカ 8 ティファニーTiffanie 「愛のテレフォン」Et ce Soir tu Telephones フランス 9 ザ・ピーナッツ 「愛のゆくえ」 銀賞 日本 10 フレダ・ペインFreda Payne 「イッツ・ユアーズ・トゥ・ハヴ」It's Yours to Have 銅賞歌唱賞 アメリカ 11 ザ・スリー・ディグリーズThe Three Degrees 「天使のささやき」When Will I See you Again 金賞 アメリカ 12 パティ・キムPatty Kim 「愛は永遠に」Forever, my Love 銅賞 韓国 13 ムスリム・マゴマエフ(マガマエフ)Muslim Magomaev 「悪魔の車輪」(意見として「観覧車」の誤訳の可能性あり)Chortovo Koleso 棄権TBS賞 ソビエト 作曲賞 - A. ババジャニャン(ソビエト)/「観覧車」(歌:ムスリム・マゴマエフ。「悪魔の車輪」)の作曲者。 編曲賞 - フランシス・レイ(フランス)/「愛のテレフォン」(歌:ティファニー)の作・編曲を担当。 2回大会同様、女性歌手が目立つ大会となった。 サイモン&ベッティーナは、サイモン・バタフライと実妹ベッティーナ・サイモンのデュオ。参加曲の作詞はハワード・バーンズ Haward Barnes だが、作曲は日本の加瀬邦彦、編曲は東海林修。 ザ・ギミックスは、男性楽器奏者6人・女性ヴォーカル2人から成るユニット。参加曲はドラムスのステファン・メラー Stefan Möller の作詞作曲。 ゴールド&シルバーは、女性ペニー・ゴールドと男性コーリン・シルバーのデュオ。 マリー・トラヴァースは、元 P.P.M (ピーター・ポール&マリー) のメンバー。 金賞のザ・スリー・ディグリーズは女声3人のユニット。 「東欧のプレスリー」チェコの国民的大スター、カレル・ゴットの来日により、ヨーロッパからも多数の取材陣が押し寄せた。 特別審査員フランク・シナトラが12年ぶりの来日であることも世間の耳目を集めた。 グランプリとシナトラ賞をダブル受賞したルネ・シマールが変声期前の13歳の少年であることが話題を呼んだ。 ソ連の男性歌手ムスリム・マゴマエフ(マガマエフ)はバクー(アゼルバイジャン)の芸術家一家に生まれ育ち、アゼルバイジャン音楽院、更にイタリアで学んだのち、バクーのオペラ劇場にデビュー、オペラから現代歌謡まで幅広くこなせる歌手として、当時既にソ連では人気抜群で、多くのヒット曲があった。母国でも評判を取っていた参加曲 Чёртово колесо は慣用句的に「観覧車」という意味だが、プログラムには大誤訳のタイトル「悪魔の車輪」が堂々と印刷され、『音楽の友』1974年9月号(p.22-23)の記事でも「…作曲賞は「悪魔の車輪」を作ったソ連の…」とそのまま引用されている。のみならず、ラテン文字表記のタイトルは CHORTOVO KOLESO と書くべきところを CHORTVA KALESO と印刷され、作詞のエフゲニー(イェフゲニー)・エフトゥシェンコは E.(またはY.)エフトゥシェンコと表記されるはずが「作詞:A・エフタシエンコ A. Eftushenko」となり、作曲・編曲のアルノ・ババジャニャンは A. Babadjanyan ではなく「作曲・編曲:A・ババジョニアン A. Babadjonyan」で、前掲の『音楽の友』の記事でも「…ソ連の A. ババジョニアン」と踏襲されている。世界大会と称するにもかかわらず、設営側の語学力の貧弱さを露呈した形となったが、日本でも知る人ぞ知るで、翻訳家のウサミナオキはこのタイトルに「遊園地の回覧車」という訳語を充てている。/マゴマエフ歌唱「観覧車」(YouTube) なお観覧車を意味するFerris wheelsはロシアにおいては“devil's wheels”つまり悪魔の車輪、という例えられ方も存在する。また不気味な岩の集成体が観光地にもなっているスヴェルドロフスク州にはChortovo Gorodishcheは、Devil's Settlement, Devil's Mound, Devil's Cityと呼ばれ、悪魔の丘などの異名を持つことで知られ、マゴマエフのプロモーション映像も本人が悪魔的な赤と黒のマントを翻して登場していることから、誤訳ではない、という見方もある。 当時指揮を担当した長洲忠彦によれば「マゴマエフは途中(ファイナル)棄権した」という回想を語っていたが、出場者に音楽祭後配られる海外版カラーパンフレットには歌唱シーンが印刷されており、受賞もしていることから、棄権はしていないのではないか、という見解も存在する。
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