ポルノ擁護論とは? わかりやすく解説

ポルノ擁護論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 15:26 UTC 版)

ポルノグラフィ」の記事における「ポルノ擁護論」の解説

リベラリズム中道左派は、ポルノ規制表現の自由対す侵害であると主張をしている。一方でマッキノンは、ポルノ単なる「表現」ではなく女性男性隷属する構造構築する行為」であるため、表現の自由による擁護対象にはならない主張をしている。 マッキノン実際にミネアポリス・インディアナポリスでポルノ規制条例議会通過させており、その過程保守的道徳主義的な立場からポルノ規制目指すグループ手を結んだ。しかし、ミネアポリス条例市長署名拒否したため「廃案」となり、インディアナポリス条例市長署名経て一旦成立したものの、「違憲訴訟が行われ、アメリカ書籍業協会対ハドナット裁判合衆国連邦裁判所によって「違憲判決」が出され無効となった日本女性団体であった行動する女たちの会」は、女性が傷つくポルノには反対しながらも、「道徳的な観点からポルノ問題視するわけではない」こと、また『国家による法的規制求めているわけでもない』ことを強調した1990年代有害コミック青少年向けの露骨な描写を含む漫画)の規制運動おこったとき、「母親運動」側は規制推進すべきとの立場であったが、「行動する女たちの会」はこれに対して異議申し立てた』。 フェミニスト中にも既存の性秩序への破壊力ポルノ認めポルノ一般に寛容立場もある。特にその根拠となるのは、ポルノ規制公権力介入によって表現の自由制限されることが問題であるというものである猥褻表現芸術表現境界をどう判断するかという論点に関しては、大島渚監督は「猥褻何が悪い」と、芸術猥褻区別することは誤りだと主張した。このほか、ポルノからエロティカ区別して排除する考え方は、「女性の性嗜好多様性否定するのである」という批判もある。 「現実(の性犯罪性被害)とポルノの関係」については、ポルノ現実性犯罪誘発しているという実証的な根拠乏しいという批判や、ジュディス・バトラー赤川学のようにポルノ現実とは異なる「別種現実」あるいは「代償的幻想」であるという批判がある。また、代償としてポルノ利用されればカタルシスによって現実での性犯罪抑制されるという見方もあり、実証的な研究論文などでは、ポルノグラフィ性犯罪直接の関係がないとの主張存在する(メディア効果論参照のこと)。 「ポルノ男性優位的な社会構造反映である」というテーゼについては、アンソニー・ギデンズらはむしろ男性社会権威低下しているからこそそれを補強するためにポルノが必要とされているのである論じている。 VCRホームビデオ、および手頃な価格家庭用ビデオカメラ登場により、フェミニストポルノの可能性生まれたという主張もある。消費者ビデオにより、ビデオポルノの配布消費が、女性ポルノ正当な消費者として位置付けることが可能になった。トリスタン・タオルミーノは、フェミニストポルノは「公正な労働環境作り関係者全員に力を与えることすべてに貢献する」と述べている。フェミニスト・ポルノ・ディレクター(監督)は、男性女性挑戦的な表現関心持っているだけでなく、多く種類身体特徴とする性的に力を与え画像提供している。 ライターのスーザン・ファルディは、1995年ニューヨーカーエッセイで、「ポルノ女性職場で力の利点享受する数少ない業界1つである」と主張した。『女優は力を持っている』と男性批評者アレック・メトロは、業界のX格付けについて指摘したメトロはそのポルノ業界で「逆差別」が進行していると語った女性パフォーマー多く場合男性俳優決定した拒否したすることができるという。 日本では堀あきこ守如子は、従来ポルノ批判男性向けポルノばかりを想定して、「女性向けポルノ存在」を黙殺しているのだとして、レディースコミック・ティーンズラブ・ボーイズラブ(やおい)といった形で女性向けポルノ表現定着しておりそれらには(保守的な道徳観によって抑圧されてきた)「女性性的な欲望を持つこと」が肯定されるのだと、人間の自由から論じている。ただし、堀あきこ男性向けポルノ女性向けポルノ異な価値観沿っているとしており、この点については守如子立場異なる。

※この「ポルノ擁護論」の解説は、「ポルノグラフィ」の解説の一部です。
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